HANGAME
原文記事:HANGAME[三星火災杯]あれこれ/ "こういうのを同病相憐(同病相あわれむ)というのか"▲ 2017三星火災杯ワールド囲碁マスターズ4強に上った棋士。 左側から中国のトン・モンチョン6段、グー・ズーハオ5段、タン・ウェイシン9段と韓国のアン・グクヒョン8段だ。■ 2017三星火災杯16~8強戦話史上最多である378人が統合予選に参加して、そこで選別された19人と各国のタイトル ホルダー中心にシードを受けた13人。 32強戦で点火された2017三星火災杯ワールド囲碁マスターズ本戦は毎ラウンド激しい角逐の中で4人の準決勝対決に狭まった。4強の顔は韓国のアン・グクヒョン8段と中国のタン・ウェイシン9段、トン・モンチョン6段、グー・ズーハオ5段。 韓国1人、中国3人だ。
このような韓・中間の構図は2015年から3年目だ。 アン・グクヒョンの闘魂がなかったとすれば、22年の三星火災杯史上初めて一つの国が(それも中国)4強独占するところだった。4強進出者は5000万ウォンの賞金を確保した中で11月6日から京畿道(キョンギド)高陽市(コヤンシ)三星火災杯グローバルキャンパスに移して続行される準決勝三番勝負に出る。
決勝進出時賞金は最小1億ウォンに増えて、優勝時には3億ウォンを握る。
25~26日にサムスン火災ユソン研修院で行われた16強戦と8強戦の話をまとめた。▲三星火災杯の聖地ユソン研修院。 選手たちは10時方向のマンション棟や、12時方向のホテル棟に泊まって、対局室は2~3時方向の教育棟に用意される。 サッカー場、バスケットボール場、ゴルフ場、卓球場、ビリヤード場などの体育施設と食堂、カフェテリア、サウナなどの便宜施設も取りそろえている。"90後独壇場、歴代最年少4強"今回の大会の特徴ならば絶対強者も永遠の強者もないという勝負世界の真理をもう一度呼び覚ましたこと。
準決勝に上がった4人中タン・ウェイシンを除いた3人が大会初めての4強。 また、タン・ウェイシンの他には国際大会優勝経歴もない。 反面、韓中日トップランカーをはじめとする伝統の強者は続けざまに苦汁。8強メンバー全員が90年代以後に出生した'90後'らで構成されることも世界大会史上初。 4強メンバー中では25才アン・グクヒョンが一番長兄で、19才グー・ズーハオが末っ子。 その他のタン・ウェイシンが24才、トン・モンチョン21才。 平均年齢22.3才の4強は歴代最低。▲韓国ランキング1位パク・ジョンファン9段に逆転勝ちをして最年少4強になったグー・ズーハオ5段は中国でコ・ジェ9段に次ぐ逸材として注目されている。 同年齢である韓国のイ・ドンフン9段の以前の姿を見るようだった。 対局態度もそうだが、性格も同じようにみられる(イ・ドンフンは中国甲級リーグで同じチームで走るグー・ズーハオと親しいと話したことがある)。"地雷を踏んだ"8強戦で韓国囲碁界ツートップ パク・ジョンファンとシン・ジンソの同時脱落は夢にも思わなかった惨事。 16強戦で強力な優勝候補であったコ・ジェをアン・ソンジュンが落として、刺々しい相手チェン・ヤオイェもアン・グクヒョンが撃破することによってパク・ジョンファンをはじめとする韓国棋士の優勝は決まったも同然という話が生い茂ったが8強戦の結果は衝撃そのもの。"地雷を踏んだ。""ポクマン(回復不可能なほどに大きく失敗すること)だよ、大会がなくなるのではないか。""ソルレバル(焦ってせわしく騒ぎ立てること)ではなかった。"ついにはパク・ジョンファンのことを、"こんなことでは(日本国内だけで無敵である)井山裕太になる"という懸念に拡大解釈されることも。
一方、パク・ジョンファンは中国の17才シェ・コと夢百合杯4強戦を、シン・ジンソはコ・ジェとLG杯8強戦を控えている。▲パク・ジョンファン9段(左側)とシン・ジンソ8段の同時脱落は途方もない衝撃波として伝えられた。 8強戦対戦抽選を控えて携帯電話で棋譜を調べる姿だ。"AlphaGo時のように"四回の優勝で大会最多記録を持っているイ・セドルは家族と共にきて注目。 外国留学で長い間離れていた一人娘が一昨年に帰ってきた後には妻とともに済州島(チェジュド)で生活して学校に通う。 "大会場には夫が一緒に行こうといった"という夫人の話。'娘バカ'として噂になったイ・セドルは、11才ヘリムの手をぎゅっと握って対局場に入ったがその姿がAlphaGo対局の時と似ている。 家族の密着応援にも難敵トゥ・ジャシに首筋をつかまれたのが惜しい。▲オーバーラップされる二人の姿。 左側は三星火災杯16強戦、右側はAlphaGo対局の時だ。"扇子の代わりに虎油"三星火災杯に特化(?) したという声を聞くタン・ウェイシン。 興味深い点は2013年優勝、2014年準優勝、2015年4強、2016年8強で毎年成績が一階段ずつ落ちてきたこと。
このような下り坂を今年の4強進出で変えたが、"環境も良くて食べ物もおいしい"と話してユソン研修院愛が断然最高。タン・ウェイシンは32強戦の時に扇子の音を出して相手対局者の抗議で審判から警告を受けたことがあるのだが、今度は扇子は全く見られず、別名'虎油'を準備。
額などに塗る虎油は気持ちを喚起させるなどの効果があるようだが、その香りが強くて横にいる人は顔をしかめるのが常。▲タン・ウェイシン9段は32強戦の時に扇子警告を受けた事情を中国版ツイッターである'ウェイボ'に上げて中国囲碁ファンたちの間で話題になることも。 それを見たコ・ジェ9段が"私も取られた"とコメントをすることも。"同年齢の同病相憐"こういうのを同病相憐(同病相憐れむ)というのか。 4強進出が挫折した韓国のアン・ソンジュンと中国のトゥ・ジャシが共に夕食を食べる姿に見る人々の胸が物悲しくなった。
あるテーブルで'勝者'タン・ウェイシンが一人で食事中だったが、トゥ・ジャシは肩を一度ポンとたたいて席を回避。 その後に入ってきたチェン・ヤオイェをはじめとする他の中国の'敗者'らも同様。▲ 26才同年齢であるアン・ソンジュン7段とトゥ・ジャシ9段。 最高齢で8強に上がったがアン・ソンジュンはトン・モンチョン6段に、トゥ・ジャシはアン・グクヒョン8段に4強チケットを渡してしまった。"長くいるのはより苦しいので"中国の第一人者コ・ジェと日本の第一人者井山裕太は、16強から脱落した後大会関係者に帰国飛行機チケットを変えてほしいと急いで要請。
他の外国脱落者は当初の予定通りに帰国の途についたが、コ・ジェは8強戦を行う日の朝早く、井山裕太は同日昼にそれぞれ一人で空港に出発。▲中国は3年連続3人の選手が4強に上っていった。"美しかった挑戦"ユソン大会で取材陣から最も多い応援を受けた選手はソン・テゴン。 近年に入っては名解説者として囲碁ファンたちとさらに親しくなったソン・テゴンは、久しぶりの世界舞台で開始30分も早くから出てきて、片手にコーヒーを持ってユソン研修院の大きい広場をあっちこっち行き来しながら呼吸を整える姿。タン・ウェイシンに会って有利な形勢を導いたが、自身の時間がはるかにたくさん残った状況で時間攻撃を広げて予想できない狙いにまともに答を出すことができなくて逆転負け。
心痛い彼をなだめたのはその日の夜何人かの知人たちと研修院を抜け出して共に傾けた一杯の酒。▲かつて天才少年として注目されたソン・テゴン9段は、17才の時である2003年第16回富士通杯準優勝、その他に応氏杯をはじめとしてメジャー大会三回の4強経歴を持っている。▲三星火災杯が開かれる所は国家代表をはじめとして各道場と研究会などの現地訓練場になる。 幼い棋士が小さな手で'強者'らの囲碁を勉強して未来の主人公に向かった夢を育てた。