HANGAME
[農心杯]イ・セドル先鋒カードは失敗

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▲先鋒で出場したイ・セドル9段(右側)が日本の一力遼7段に敗れてしまった。 一力は前期大会でも1番手で出場して3連勝をおさめたことがある19才の新鋭だ。
 

第18回農心辛ラーメン杯世界囲碁最強戦第1局 
先鋒イ・セドル、日本新鋭一力に半目負け 

イ・セドルが先鋒に出てきたというのは少なくとも四対局打つ1ラウンドを'オール'してこそ体面が立つ。 先鋒を強く自ら要望した本人としても、エースに対する信頼を持つファンたちとしても違わない考えだ。

期待を受けて登場した韓国先鋒イ・セドル9段が期待を裏切った。 27日午後中国、吉林(ジーリン)省の安圖天地ホテルで開幕した第18回農心辛ラーメン杯世界囲碁最強戦第1局に韓国チーム1番手で出場して日本の1番手一力遼7段に292手で半目敗れた。

農心杯は韓中日の代表棋士5人ずつチームを設けて連勝戦で覇権を競う国家対抗戦。 '囲碁三国志'という別称を持っている。 イ・セドルは代表チームの一番上の兄でランキングとしても大会後半に登板するのが一般的なのだが本人の強力な意志で先鋒を引き受けた。

ニギリの結果黒を握ったイ・セドルは最近の流行布石で出発した。 序盤は丈夫で堅実な運用。 好戦的棋風の一力も厚く力を備蓄した。

最初のハイライトは下中央の攻防。 そちらで一力の処理が良かった。 気分が悪くなったイ・セドルはわずかにねじって行ったが一力から気持ちに酔った手が出てきた。 その隙間を刺してイ・セドルが持ちこたえ、そちらの打開が期待以上にうまくいった。だが、三子が切れて打開したことに対しては国内検討陣が物足りなさを表わした。

 
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▲イ・セドルは選抜戦B組8強から脱落した後ワイルドカードを受けて代表チームに終列車で合流した。 前期に続き2連続ワイルドカードに選ばれた。

 

ある瞬間から難しい手を打たない一力。 たいてい優勢を意識する時に出てくる姿だ。 実状の形勢もそうだった。 一力は考えていたよりさらに強かった。 簡単に処理して口実を与えなかった。 イ・セドルは終盤に入って中央コウに勝ったがヨセ場面では形勢判断に錯誤があったのか左下コウを後退してしまって微細に負けた。

イ・セドルの先鋒は2勝1敗で退いた12回大会に続き二回目。 農心杯代表は四回目だ。 初めての出場だった10回の時には4番手で登板して2連勝で優勝を決めて、前期大会では主将を引き受けて3連勝を上げた後最終戦でコ・ジェに敗れて中国優勝を許容したことがある。 大会通算7勝3敗の成績。

前期も先鋒を引き受けて日本に初めての開幕3連勝をプレゼントした一力はイ・セドルまで越えた。 2014年グロービス杯世界新鋭大会をはじめとして通算四回優勝経歴がある。 また、歴代最年少で棋聖戦リーグに進入して、最近日本7冠王井山裕太を破って竜星戦を最年少優勝した19才期待の主だ。


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▲一力遼は3連続日本チーム先鋒で出場している。 15回の時には1勝1敗、16回の時には3勝1敗をおさめた。


イ・セドルの敗北は4年ぶりに優勝カップ奪還を狙う韓国チームに余波が及ぶほかはない。 農心杯で韓国は1~6回大会を6連続優勝するなど14回大会まで11回優勝カップを上げた絶対強国の威容を落として15~17回大会は3連続中国に優勝カップを渡してしまった(通算優勝回数は韓国11回、中国5回、日本1回)。

一力は韓国時刻明日(28日)午後3時に中国チーム1番手を相手に2連勝に挑戦する。 中国はファン・ティンウィ9段(20)を発表した。 ファン・ティンウィの農心杯出場は二回目。 15回の時には1番手で3連勝しながら中国優勝に踏み台を置くこともあった。 

優勝国にだけ授ける農心杯の賞金は5億ウォン。 毎局300万ウォンの対局料の他に3連勝達成時から1勝あたり1000万ウォンずつ連勝賞金を取得する。 制限時間は1時間、秒読み1分1回。

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▲一力遼の師匠はアマチュア時期から日本に渡っていって囲碁道場を運営している洪清泉(ホン・マルグンセム)プロ. 韓国囲碁の影響を受けて実戦的棋風だ。
 
原文記事:HANGAME 

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■第18回農心辛ラーメン杯世界囲碁最強戦各国出場名簿 
 
韓国:パク・ジョンファン9段、カン・ドンユン9段、キム・ジソク9段、イ・ドンフン8段、イ・セドル9段
中国:柯潔9段、柁嘉熹9段、范廷鈺9段、連笑7段、范蘊若5段
日本:一力遼7段(1勝)、井山裕太9段、張栩9段、河野臨9段、村川大介8段 



■第18回農心辛ラーメン杯世界囲碁最強戦日程   
 
-本戦1ラウンド(中国、吉林省安圖) 
9月26日(月)-開幕式
9月27日(火)- 1局
9月28日(水)- 2局
9月29日(木)-3局
9月30日(金)- 4局

-本戦2ラウンド(韓国、釜山)
11月25日(金)- 5局
11月26日(土)- 6局
11月27日(日)- 7局
11月28日(月)- 8局
11月29日(火)- 9局

-本戦3ラウンド(2017年中国、上海)
2月21日(火)- 10局(記者会見)
2月22日(水)- 11局
2月23日(木)- 12局
2月24日(金)- 13局
2月25日(土)- 14局