京郷新聞(※2016.07.12の記事です)
中国プロ囲碁棋士コ・ジェ、AlphaGoに勝つことができるといったのだが…体を低くして“私は弱点だらけ”

‘ペア碁ワールドカップ’優勝

 
“私が世界第一人者だと考えたことがない。 中国囲碁が韓国囲碁を越えたとも見ない。”

中国プロ囲碁棋士コ・ジェ9段(19)がかなり体を下げた。 イ・セドル9段に向かって“彼が私に勝つ確率は5%に過ぎない” “イ・セドルは人間代表ではない。 私はAlphaGoに負けない自信がある”等毒舌に近い直撃弾を飛ばしたコ・ジェではなかった。

9~10日日本、東京で開かれた‘ペア碁ワールドカップ2016東京’現場。 大会期間中各国のアマチュア選手たちと気兼ねなく愉快な時間を過ごしたコ・ジェは優勝した後もすべての球を自身のパートナーウィ・ズィン5段に回した。 ひたすら楽しむ平凡な青年だった。

コ・ジェは“世界最強の女戦士ウィ・ズィンに会ったのが幸運であり優勝の原動力だ。 特に準決勝で正面対立した韓国戦(パク・ジョンファン9段・チェ・ジョン6段)では私のミスでほとんど負けるところだった囲碁をウィ・ズィンの妙手で逆転することができた”と話してウィ・ズィンを泣かせた。 

授賞式直後京郷新聞と行ったインタビューではより一層謙虚な姿を見せた。 これまで見てきたコ・ジェとは違ったようだ。

彼は世論を意識したように“不快な質問には返事を拒否する”として用心深く口を開いた。 

中国ですら“言葉と行動が囲碁の礼道に外れる”という指摘と非難があったためのようだった。 最近重要な一戦で韓国プロ囲碁第一人者パク・ジョンファン9段に続けざまに敗れて、普段謙虚に言うパク・ジョンファン9段とたくさん比較されるというのが中国囲碁関係者の耳打ちだった。

人工知能(AI)AlphaGoと対局を行ったイ・セドル9段に向かって吐き出した言葉も中国内で‘慎重ではない言葉’という批判を聞いたといった。

コ・ジェは世界第一人者という呼称に手で遮った。 世界ランキング自体が無意味なだけでなく自分で第一人者だと考えたことがないと話した。 自身の囲碁に対しても‘弱点だらけ’と引き降ろした。 

何よりもヨセが弱いといった。 最近になって中盤まで大丈夫だった囲碁を終盤で誤らせることは少なくなったが、ヨセが弱いためだと自らを批判した。 彼は“それでも布石が強いことではない。 対局をするときはいつも困難を経験する”として“戦闘は強いと思っていたが最近では中盤にも失敗をたびたびする。 強い点が一つもない”と話した。

それでも世界大会3冠王に上がった秘訣は‘運が良かったため’といった。 “今回の大会でもウィ・ズィンという最高のパートナーのおかげで優勝することができた”と話した。

コ・ジェは最も威嚇的な存在としてパク・ジョンファン9段を挙げた。 実際に彼は今年に入ってパク・ジョンファン9段と正面対立した三回の対局で勝利を味わうことができなかった。 対局内容も彼らしくない完敗であった。 

コ・ジェは中国囲碁が世界最強という話に目をまるく開いて首を横に振った。 中国囲碁がある程度‘恐韓症’から抜け出したことは合っているが過去韓国が享受した世界最強の席を見上げるにはまだ早いということだ。

イ・チャンホ9段やイ・セドル9段のように一時代を牛耳る‘超人’のような強者が中国にはいなくて、韓国には相変らず強力な選手たちが多いためだといった。 彼は“韓国と中国は‘世界最強国’の席をかけて当分綱引きを行うだろう”と見通した。 

コ・ジェは最近中国の若い棋士が良い成績をおさめる原因としてインターネット環境を挙げた。 彼は“過去には他人の棋譜などを見ることが容易でなかったが今はインターネットを活用して誰でも良い棋譜を見て研究ができる。 インターネットで練習対局もたくさんして、自身の手を実験することもできる。 このような環境は年上の先輩たちより若い棋士に有利に作用する”と話した。 

コ・ジェに今年の目標を尋ねるとすぐに“ない。 ただひと勝負ひと勝負最善を尽くすだけ”といった。 コ・ジェがかなり大人になったようだ。 彼の謙遜がうれしかったが、より一層強いプロ囲碁棋士になるという感じもした。
 
原文記事:京郷新聞 



 
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