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[応氏杯]速報/パク・ジョンファン、3点負け

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 ▲どちらが囲碁オリンピックを支配するだろうか。 優勝賞金40万ドルに向かった最後の舞台である第8回応氏杯世界プロ囲碁選手権大会決勝戦の第2局がパク・ジョンファン-タン・ウェイシンの同年齢対決で開かれている。

 

第8回応氏杯決勝五番勝負第2局(8月12日、北京クンルンホテル)
●パク・ジョンファン9段(韓国) vs ○タン・ウェイシン9段(中国)

番碁勝負で最初の対局の重要性は新たに強調する必要がないが五番勝負ならば第2局はシリーズの形勢を左右する程重要だ。 最初の対局に勝った側がもう一度勝つならば8合目を占領して、最初の対局を負けた側がもう一度負けるならば崖っぷちに追い込まれる。

パク・ジョンファン9段が五番勝負の初戦を飾った第8回応氏杯世界プロ囲碁選手権大会決勝戦が12日中国北京のクンルンホテル特別対局室で第2局を続行した。 石を変えて第2局はパク・ジョンファンの黒番。

1局で双方3時間の制限時間が足りなくて罰点を甘受して最大2回可能な時間延長までをみな使う激戦を行った二人の棋士。 その2回まで超過すれば時間切れ負けになるので最後には着手速度がものすごくはやくなる姿を見せることもした。

結果はものすごい根気を発揮したパク・ジョンファンが鳥肌の立つ大逆転勝ちをおさめた。 皆が石をおさめても変ではないという程非勢傾向に処した形勢をついにひっくり返した。 パク・ジョンファンとしては会心の逆転勝ちであったしタン・ウェイシンにとっては痛恨の逆転負けであった。



一日の間の休息を持ったが決勝2局はどうしてもパク・ジョンファンが気持ち良いリズム。 北京での決勝1ラウンドを2-0でリードした中で10月24日から上海で続行される3~5局をもう少し快適に迎えることをファンたちは望む。

4年ごとにオリンピックが開かれる年に開催されて'囲碁オリンピック'とも呼ばれる応氏杯の優勝賞金は40万ドル(約4億5000万ウォン)。 制限時間は3時間であり、これを全て使えば秒読みなしで20分ごとに罰点2点を受けて2回まで延長することができる。 これさえも超過すれば時間切れ負けになる。 コミは8点(韓国式7目半)。

ハンゲーム囲碁は対局を始めた10時30分からチョ・ハンスン9段の解説で生中継中であり、時々刻々局面の推移を速報に伝える。



11:30(44手) -時間に追われた1局が意識されるほかはない二人の棋士。2局は着手速度が速い。開始1時間の間、1局の時には30手を、2局の時には44手を打った。大きいコミを意識したようにパク・ジョンファンは積極的に変化を求めていて、タン・ウェイシンは1局のように実利路線を歩んでいる。

 
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▲ 1時間の進行状況(白6は43の上側)。

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▲徹底した実利作戦のタン・ウェイシン。 丈夫だ。 "白の布石が大丈夫に見える"というチョ・ハンスン プロの見解。 9は黒を打開して左上白の根拠を奪う特異だ。 パク・ジョンファンとしては白を攻撃して自然に上辺黒形を育てたい。

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▲左上で白黒が互いに切って切れて接近戦。 最初の勝負所になる公算が高い。 チョ・ハンスン プロは"黒が何かを探さなければならない、悩み事が多い局面"と解説する。

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▲黒1は白を切っている一子がシチョウにとらえられないために可能な積極策。 白2はどのように受け取るのかを尋ねる応酬打診。 左上隅黒も追及される味があって動きが容易ではない場面だ。 13までは白の実利が引き立って見える。

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▲ 白は左辺を大きく守って、黒は中央を封じ込めて上辺形を自然に育てている。 "他の見方をすれば双方望む進行といえる"というチョ・ハンスン プロ。


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▲ 白1は上辺を与えるほかはないとみて二子を生かす交換で、黒2は受ける前に少しでも得するための活用。 双方効果的に捨てるための気力の戦いが激しい。

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▲黒が白一団に捉えられたがパク・ジョンファンは中央側ハネられる手(5の左側)を敬遠した。 三子を捉えた白の姿勢も良い。

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▲黒1以下は実利では少し損害だが中央を厚くする手。 白も奥深く削減することは難しい。 パク・ジョンファンが打つ番でお昼休息に入った。



13:30(94手) - 94手までを打ってお昼休戦。71手までを打った1局よりはやい進行だ。今回もパク・ジョンファンが打つ番で昼休みをむかえた。午前対局3時間の間の消費時間は1局の時とともにタン・ウェイシンが少し多い。 

イ・セドル9段は右辺攻防を見て"白が足早い流れと見える"とした。 イ・セドルは足早く打って実利を好む棋風だ。 

あわせてイ・セドルは午前対局までの状況に対して"1局を逆転勝ちしたら2局で勢い良く押しつける姿を見せるべきなのだがそう出来ない感じ"と惜しむ。

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▲上辺一帯の黒実利は75目ほど。 右下隅まで合わせれば80目程度になる。 白は左上隅8目、右上隅8目、右辺6目、そして左下弁一帯に45目で確定地で見るならば67目程度だ。 下辺が白地に変わるならば黒としてはコミが負担になる。 今や下辺が最後の勝負所!
 

14:40(100手) -局面が単純になった中で双方の地の境界線がどのように引かれるかの勝負。単調だが一手一手の価値が大きくなった。"この囲碁を負けても1-1であるからもう少し安らかに打ったら良いだろう"というイ・セドル プロ。 

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▲タン・ウェイシンの着手をみると囲碁を気楽に判断するようだ。 相手が簡単に処理したのでパク・ジョンファンとしても不満ない。 白6に黒7で反発するパク・ジョンファン。


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▲タン・ウェイシンが下辺を精一杯広げて行った手は良くなかった。 実戦は左辺白の形状の幅が大きく消された姿。 今はタン・ウェイシンの攻撃とパク・ジョンファンの守備でお互いの立場が変わった。

"形勢が有利な時に対局を整理する部分がタン・ウェイシン9段の弱点といえるようだ"というイ・セドル プロ。 黒2を見て"妙な手"(チョ・ハンスン)、"創意的な手"(イ・セドル)。 善悪を離れて思いつかない手とのこと。


15:15(114手) -イ・セドル プロは"個人的に習う点が多い囲碁"と話す。チョ・ハンスン プロは"下辺を捉えに行くふりをして右下隅を狙うのが白の考えであったのだが黒が右下隅を守って下辺を応援する手を打った"としながら白が気楽な流れから黒が気楽な流れに変わっている"と解説する。

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▲中央で変化を求めるタン・ウェイシン。 黒が下辺弱点を持っていて反発するのが不如意なのではないかということ。 的外れな答をするパク・ジョンファンの黒4。"良い応酬打診、確実な黒のペース"というチョ・ハンスン プロだ。

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▲パク・ジョンファンの鋭い応酬打診にタン・ウェイシンは上辺黒の領域から破りに行った。 


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▲パク・ジョンファンが形勢を好転させた。 "1局の余波なのか、タン・ウェイシン9段が持つ能力なのか…"というイ・セドル プロ。 それと共に"とても微細だ"と診断する。 チョ・ハンスン プロもやはり"黒地も減って微細な形勢"という診断。

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▲黒5は実利で大きい手でパク・ジョンファンの持ちこたえ。 形勢が良くないと見るのか、勝ったという判断であろうか。

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▲ノリムシュ(相手を陥れて利を得る策)がものすごく強いことで有名なタン・ウェイシン。 白1が打たれた。 黒2で厚くこらえておくパク・ジョンファン。 イ・セドル9段は遡って'가'で打った手が負けると敗着になり得ると一針する。 Aに打って上辺黒の領域を狙わなければならなかったという説明だ。

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▲チョ・ハンスン プロは"単純にヨセをするならば白が少し有利に見える"とする。 黒が効果的に守らなければならないということ。

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▲黒2は最大限地を作って守る手。 しかし白3が鋭利だ。 "コミが負担になる黒の立場で苦しい"というチョ・ハンスン プロ。 簡単に手が出てこない事を見ると見逃したようだ。

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▲ "パク・ジョンファン9段が平凡に行っては難しい"と見ているのが確実だというイ・セドル9段。 黒7が思いがけない手。

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▲黒2で白一団を捉えたことは20目程度だが白3に応酬するのが困る。 黒に妙手がないならば右下隅がコウにかかるというチョ・ハンスン9段。 コウに行くならばコウ材がない黒が難しい。 イ・セドル9段も"パク・ジョンファン9段が危機"と話す。


17:30(158手) -手が急に止まったパク・ジョンファン。"コウ材がなくて死んだのと変わりない"というイ・セドル9段。チョ・ハンスン9段もやはり同じ解説だ。

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▲やむを得ず中央を再び助けるパク・ジョンファンだ。

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▲タン・ウェイシンも失敗をした。 中央を先に切っておいたら黒がこれ以上してみるところがなかった。 ひとまず破局を免れた。 弱り目にたたり目で158手時点(黒を遮断した)で罰点2点を受けた。 
 

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▲コミが出ない。

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▲思ったより差が大きくない。

 
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▲ヨセでタン・ウェイシンの失敗が出てきた。 罰点差が問題になることもある。

 
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▲ "自体では黒が勝った"という解説陣。


18:12(282手終わり) - 282手で終局された。 自体ではパク・ジョンファンが残したが(韓国式で1目半)罰点で4点違いが生じた(パク・ジョンファンが2回、タン・ウェイシンが0回)。 その結果3点(韓国式2目半)負けてしまった。 

 
原文記事:HANGAME 

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