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韓国囲碁プロ棋士の年俸
 
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 ▲応氏杯トロフィー。 応氏杯は優勝賞金40万ドル(約4億 6000万ウォン)を誇る。


明智(ミョンジ)大囲碁学科の学生たちが囲碁界の懸案に対して眺める目はどのようだろうか。ナム・チヒョン教授が指導する学生たちの文の中から一つを厳選して送ってきた。 <韓国囲碁プロ棋士の年俸> 文を特に紹介する。 学生たちの主張をそのまま生かすためにできるだけ原文に手をつけなかった。 この寄稿はサイバーオロの編集方向と一致しないことがあることを先立って明らかにする。 -編集者注-



韓国囲碁プロ棋士の年俸
-イ・ユミン-


1。プロ棋士 
 
プロ棋士になるためには多くの努力と才能を必要とする。 普通6才や7才の時に囲碁を始めて10年以上勉強をしなければならなくて、その中でも碁の才能があって特出した人材だけが入段の関門を通過する。

囲碁道場という所は普通塾の概念とは違って、学生たちは平日に午後9時まで、ご飯を食べる時間を除いて囲碁勉強をする時間に投資する。 道場費もまた侮れない。 通学で道場だけ通っても1ヶ月に基本80万ウォン近く出さなければならなくて寮まで利用するならば100万ウォン~120万ウォンまで上がる。

このように幼い時から激しく勉強して嘱望された者だけがかろうじて入段をする。 ところがプロ棋士は自分たちの年俸収入に果たして満足することができるだろうか? 



2。賞金制 
 
2009年からBCカード杯を始まりにオープン戦と賞金制が導入された。 以前には予選戦で対局をすれば勝敗に関係なくすべての棋士が対局料を受ける‘対局料制度’が施行された。

しかし年を取って成績を出すのが難しい棋士が試合予選で一手を打って中押し負けをする場合もあって、勝負の面白味が鈍って、スポンサーの立場で棋戦を育てるメリットがないという点などの色々な問題点が発見された。

それでこれを解決する方案として賞金制導入に対する案件が上がってきて、2009年に第1回BCカード杯を始まりに次第に賞金制が行われた。 賞金制は競争の最大化を通じて囲碁大会の面白味を高めてスポンサー、すなわち企業の広報効果も高まって企業が大きく投資する魅力を持つようになるという長所があったがプロ棋士の自尊心問題と激しい弱肉強食の招来を懸念する声も高まった。

色々な意見が出てくる中で棋士会が投票を施行した結果、賛成123票:反対34票差で賞金制案件は通過した。 2009年からBCカード杯を出発点として現在は多くの大会が賞金制で進行されている状況だ。

もう‘対局料制度’はなくなった。 予選を通過した64強進出者だけが賞金を持っていくことができる。

普通賞金配分率は優勝賞金=準優勝x4、準優勝賞金=4強x 2、4強賞金=8強x 2、8強賞金=16強x 2、16強賞金=32強x 2、32強賞金=64強x 2のような構造で分配されるのだが、もし国内大会優勝賞金が4000万ウォンならば準優勝:2000、4強:1000、8強:500、16強:250、32強:120、64強:60程度に分けられることになる。

これを基準として国内棋戦賞金と大会を表に整理してみた。 (イベント性のシニア棋戦とシニア囲碁リーグ、女流囲碁リーグを除いた国内棋戦だ。)


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3。プロ棋士の棋戦収入 
 
<国内機戦>を見てみよう。 韓国国内プロ棋士は合計320人だ。 この中で64強に入るには全体棋士のうち25%~30%内に入るべきなのだがその中に入ったとしても本戦初戦で負けると60万ウォンだけ受けて脱落することになる。

1年間の国内棋戦が6個で全て本戦64強に上がったとしても年360万ウォンを稼ぐ格好になるのだが対局賞金だけでは生計維持が難しい。 それなら韓国囲碁リーガー達はどうだろうか?

<韓国囲碁リーグ>はリーグ戦である特性上、碁を打ったら勝敗に関係なく対局料を支給する。 勝者は350万ウォンが与えられて敗者は60万ウォンが与えられて9個のチームが試合をする。

一つのチームに5人の選手が所属して進行されて1年の間正規リーグはダブルリーグ合計18ラウンド、72試合を通じて順位を定めて、上位4チームがステップラダー方式でポストシーズン(準プレーオフ単盤-プレーオフ三番勝負-チャンピオン決定戦三番勝負)を行ってチャンピオンを決める。

もしチームがポストシーズンに入らないならば大会賞金はなくて対局料だけ受けることになるのだが勝率が50%である棋士は約3千7百万ウォン程度の対局料を受けることになる。 しかしもし勝率が低調で18試合中5対局に勝って13対局を負けたと仮定すれば約1千 8百万ウォン程度の対局料の支払い受ける。

チームがポストシーズンに入ることができなくて勝率まで低調ならば中小企業新入社員程度水準の年俸だ。 しかし勝率が低調ならば翌年リーグ参加可能の有無が影響を及ぼすので1千8百万ウォンの年俸まで持続性がない。 

また韓国囲碁リーガーは指名制で選抜されるので既存の実力とある程度の成績が現れなければならない。 ランキング制ではないが320人中実力が信頼できる45人中に入ってこそ囲碁リーグ選手として走れるし、その中でも勝率が50%である選手だけがチーム成績に関係なく対局料だけで生計を稼ぐことができる。 

<フューチャーズリーグ>は <韓国囲碁リーグ>の2部リーグだ。 各9個のチームが試合を進行して1チーム当たり3人の選手が対局を行う。 <フューチャーズリーグ> もやはりリーグ戦の特性上対局料制度を施行するのだが2部リーグであるだけに正規リーグより対局料がはるかに少ない。

もしチーム成績に関係なく対局料だけを見る時、勝率50%だと仮定するならばリーグが終る時まで約760万ウォンの対局料を持っていくことになる。 勝率が80%でも約980万ウォンで1千万ウォンにもならない年俸だ。 チーム成績とその他に最多勝賞、優秀棋士賞などを加えればもう少し増えるのかは分からないが生計維持には足りない年俸だ。

その他に <女流棋戦>と<新鋭棋戦 等もある。 優勝賞金が1000万ウォン台であり女流棋戦だけでは生計維持が難しい。 それで生じたのが女流囲碁リーグなのだが大会総規模は7億 8000万ウォンであり優勝賞金は5000万ウォン、準優勝賞金は3000万ウォンだ。 優勝賞金と別に勝者100万ウォン、敗者30万ウォンの対局料が別に支給される。



4。野球で上位圏と下位圏の年俸差 
 
野球では上位圏と下位圏の年俸差がどれくらい出るだろうか? 2015年KBOリーグで優勝したサムスンライオンズ チームの年俸を調べれば選手たちの総年俸は87億 3200万ウォンであり、1チーム当たり55人の選手が所属している。

この中で上位圏成績の27人選手たちの平均年俸は2億 9000万ウォン~3億程度の水準だ。 反面残りの下位圏成績の28人の選手たちは平均3104万ウォンの年俸を持っていくことが明らかになった。

およそ2億5000万ウォン差で約8倍~9倍違いが生じると見られる。 平均年俸が最も低い球団であるKTチームの上位圏の平均年俸は約7700万ウォンであり下位圏選手たちは2700万ウォン台の年俸を持っていくことが明らかになった。 3倍~4倍程度違いが生じると見ている。 

しかし野球と囲碁の制度の違いがあるのでこれを置いて正確に比較してみるのは難しい。 野球は加入制を導入して選手と球団が契約をして契約をしたぐらいの金を受け取るので初めから年俸が決まっている。

その反面囲碁リーグは勝敗により対局料金額が変わるのでその年の成績で年俸が左右される。 


5。結論 
 
野球と囲碁を置いてパーセンテージで問い詰めるならば上位圏と下位圏の年俸差は似て見える。 しかし野球リーグは2軍選手も最低2700万ウォンの年俸を受けて選手活動をするが囲碁は囲碁リーグにさえも入ることができないならば年俸が0ウォンであることもあるという現実である。

幼かったときから激しく勉強して格別な棋才を発揮してやっと入段したが生計の脅威を受けて碁を打つならばプロを志望する未来の卵はないだろう。

囲碁リーグを走ることができるならばある程度自由な人生で碁を打って3000万ウォン台の年俸で生計を立てていくことができるとはいうけれど私の考えでは15年の間入段する努力と棋才で未来に3000万ウォンを稼ごうとするならば違った道を選んだとすればさらに成功できないかと考えをしてみた。 

年俸3000万ウォン台プロ棋士も上位20%内に入る棋士で、それ以下は1000万ウォン台も稼ぐのが難しい現実だ。

最近の成績下位圏の棋士は入段をして損という言葉もある。 アマ強者だった時の方が賞金がさらに良かったためだ。

このような問題点に対して賞金制を批判するのではない。 対局料制度よりは賞金制が競争率をそそのかして勝負の面白味を与えて優勝賞金をさらに育てて人々の関心をさらに引くことが出きる、ということはわかる意見だ。

しかし発展のために引き続き進歩していくべきで、プロ棋士の経済的な部分は韓国棋院がさらに責任感を持たなければならないと考える。

どんな方法でどんな制度で変革しなければならないのか具体的な方案は提示できないが野球リーグのように2軍選手も2000万ウォン~3000万ウォン台の年俸を受けることができる、プロ棋士が勝負は激しくするが生計の脅威を受けないで棋士としての威厳を守って碁を打つことができる囲碁界を夢見ている。 
 
原文記事:CYBERORO 

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