コ・ジェの止められないハイキックに応答せよ!

イ・セドル9段の善戦を祈って
 
LEE-c
 
▲イ・セドル時代の延長か、コ・ジェ時代を開く分岐点か? 囲碁史に記録されるイ・セドル-コ・ジェの世紀の対決が始まった。


技芸を重視する囲碁界では相手方に対する評価やさげすみなどの発言をするのはきわめて自制することが慣例だ。 時代が変わったからなのか芸能界でも囲碁界でもばんばん飛ぶ発言や率直な心境告白などが多くの人々から共感を受けている。 

最近中国ランキング1位であるコ・ジェの発言と行動に関心が集まっている。 去る11月に広がった第2回夢百合杯準決勝戦でコ・ジェはパク・ヨンフンを破って決勝に進出して、あるインタビューが国内ファンたちをグツグツ沸かせた。 これより先立って相手組でイ・セドルがアン・ソンジュンを破って決勝戦に進出を確定した後に行ったインタビューで自身が優勝する確率は50%程度になると話した。 これに対し、かっと(?)なったコ・ジェもやはりインタビューで"イ・セドルが自身が優勝する確率が5割(50%)といったが100割(1000%)中の5割程度になる。"と受け返した。 すなわち、自身が勝つ確率が95%という話だ。 

もちろん対決を控えて広げた神経戦であり心理戦だと話すことができるがそれでもとても刺激的だ。これに対してイ・セドルは囲碁で話すと言って一切反応を自制した。

ところが夢百合杯準決勝以後に広がった2015三星火災杯決勝戦でス・ウェを2対0で完勝して生涯二回目の優勝カップを握ったコ・ジェが優勝インタビューでもう一度イ・セドルを刺激した。 

質問:以前にイ・セドルに勝つ確率が95%といったが? 
コ・ジェ:今回の三星火災杯でもし負けたとすればおそらくイ・セドルと五分五分だっただろう。 だが、今回勝った。 私が思うに95%の勝算は妥当な確率だ。 

これに加えて火に油を注いだ話。 "イ・セドルよりス・ウェがはるかに強いようだ。"と話してイ・セドルを繰り返し刺激してきた。 これまでイ・チャンホ-イ・セドルの雙包に押さえられてきた中国囲碁ファンたちに爽快感をプレゼントするためにわざと大言壮語、豪放な発言を継続するのか分からないけれど、とにかく本音を隠すことなく明るく露出する彼の言葉を見ていると自然に笑いが出てきて未知の魅力に陥る。 以前草木が水分を吸い上げたイ・セドルがそのようだった時、多くの韓国囲碁ファンたちがそうしたことのように。 

[521161]work-032-samwef


‘イ・セドルらしい’コ・ジェ、似ているようで別の二人

イ・セドルが真っ最中急浮上する時、彼は差し障りがない発言を吐き出した。 イ・セドル語録がインターネットに出回るほどであった。 特に'マア・シャオチュンは抜いてください'という話はネイバー検索で自動で浮かび上がる関連検索語に出てくるほどであった。

また、当時中国最強者であったマア・シャオチュンを皮肉ることでもするように彼の棋譜を並べてみたこともないと発言してマア・シャオチュンの自尊心を台なしにすることもあった。 2015三星火災杯8強戦が終わってもイ・セドルは準決勝で会うコ・ジェの囲碁に対して一度も棋譜を見たことがないと話した。 ここまでは大したことはない。

さらに生きる伝説と呼ばれた呉清源の棋譜も並べてみたことがないというなどの発言をして途方もない波紋を起こすこともした。 呉清源の棋譜は今でもプロ棋士になろうと思う者達には教科書のようなものだ。

それでも呉清源の棋譜を並べてみたことがないと発言した。 当時囲碁界内部では'セドルらしい'という形容詞が出回るほどであった。 セドルらしいという形容詞は'あっさりしている、自信があふれる、手のつけられない状態、己の道を行く、よどみなく話す'等の多様な意を含んでいる。 下に第8回LG杯世界棋王戦8強戦合同記者会見の時のイ・セドルのインタビュー内容を紹介する。 
 

イ・チガン記者(南方体育報)-イ・セドル9段に尋ねる。 世界最高級棋士ならばイ・チャンホ、チョ・フンヒョン、マア・シャオチュン9段がいるのだが実力を考える時、好きな、尊敬する棋士は誰か?

イ・セドル9段-みな良い棋士だと考える。 しかし誰も尊敬はしない。 あ、ひとりは抜いてほしい(良い棋士だと考えるという点で). マア・シャオチュン9段はない。



今のコ・ジェがそうだ。 彼はあたかも自身の発言と行動に対して報道機関とインターネット、放送メディアが反応する事を楽しむようだ。 それだけ自信に充ちていて草木が水分を吸い上げるだけ上がったのだ。 これに対し中国囲碁界は話題が自然に出てくる事を隠せずにいるようだ。 




‘一生一代の勝負’、毒気質の‘センドル(強い石)’

2000年を前後して中国囲碁界ではイ・チャンホという壁を越えることができなくて個人戦、団体戦で苦戦した。それで中国囲碁界は、いつ頃私たちにもイ・チャンホのような傑出した人物を排出できるのかという切実な心があった。イ・チャンホのようなスーパーマンの出現を待ちこがれた。 マア・シャオチュン、常昊に続き古力が登場した時、彼らの夢が再びうごめいたが古力はイ・セドルという新しい壁にぶつかって彼らの夢はまた再び水泡と消えた。 

イ・チャンホは全盛期の時、囲碁ファンたちに囲碁が不利でも結局は勝つという大きい信頼を与えた。 実際にイ・チャンホは数多くの不利な囲碁をひっくり返す痛快さをプレゼントした。 中国の常昊9段が魂が抜けた表情で話した。 “韓国棋士を全て破ってもイ・チャンホが残っているならばその時からが開始だ。”


コ・ジェに先立ち中国囲碁界にもセドルらしい棋士がいた。 まさにマア・シャオチュン9段だ。 彼は囲碁界に天才が二人いるが一人はイ・セドルで一人は自分自身だと話した。 だが、彼はイ・チャンホに10連敗にあうなどイ・チャンホの壁を越えることができなくて遠慮なく大声を上げられない立場だった。 結局'既生瑜、何生亮(周瑜を産んで、なぜ再び諸葛亮を産んだのか)'をパロディにした'既生馬、何生李'という話を残した。 

 

このように中国囲碁は韓国囲碁の陰に隠れて縮こまっていた。 このような状況で今コ・ジェが登場したのだ。 よどみないコ・ジェの登場に中国囲碁ファンたちも韓国囲碁に抑えられていた鬱憤を払いのけるように痛快がっている。 

コ・ジェは最近あるインタビューで世界大会優勝10回が目標だと話した。 中国の歴代最多世界大会優勝記録は古力の8回優勝だ。 わずか(?) 二度世界大会を優勝した向こう見ずな少年がそれを跳び越えると念を押したのだ。 現実を見れば今その場はコ・ジェを相手に60%以上の勝率を上げて彼を勝手気ままにするほど料理できる棋士はないようだ。 パク・ジョンファン、キム・ジソク、イ・セドル程度が牽制勢力になることができるが侮れない。 

コ・ジェの性格を見る時、おそらくこのような牽制勢力を取り上げ論じることさえ聞くのを嫌うだろう。 だが、今までの彼の行動や発言などから推察したところ彼は明らかに中国のイ・セドルに近い。 コ・ジェの発言や行動は今のところはイ・セドルが急浮上した草創期発言に比べて三,四子(?)置かなければならない水準だがますますその水位が高まっていきつつある。 世界大会優勝カップを一つ二つさらに収集しながら吐き出す彼のセドルらしい表情が自然に浮び上がるのはなぜだろうか。 

[521161]samwef


イ・セドル9段は28日、一日早く中国に入った。 この日開かれた囲碁大賞授賞式にも参加せず、一行より一日先に入ってコンディションを調節した。 中国に行く前に後輩にしたという、‘一生一代の勝負’という話で彼が今回の対決に対してどのように考えているのかが分かる。 今回よどみなくハイキックを飛ばすことによって答える時であるようだ。 毒気質の‘センドル(強い石)’だ。

[新華社通信社韓国駐在記者=キム・ギョンドン(前サイバーオロコンテンツチーム長)] 

[521161]work-001-kejiesedl

▲さて、最終勝者は誰? 韓中囲碁の自尊心をかけた世紀の対決が始まった。



(編集者 注)イ・セドルとコ・ジェの夢百合杯決勝は囲碁史の流れを左右する'世紀の対決'だ。コ・ジェが勝つならばイ・セドルからコ・ジェの時代へ渡る分岐点になることで、イ・セドルが勝つならば'まだ旧官が名官'であることを立証してイ・セドルの時代、長江の前の波がさらに残留する様相が続くだろう。ところが流れ上イ・セドル9段の劣勢を予想する展望が多いからか。 サイバーオロ取材記者と月刊囲碁カメラマンだけが現場に行った。 ふと1989年第1回応氏杯決勝で一人ぼっちで敵陣に飛び込んで降神巫の闘魂を広げたチョ・フンヒョン9段が浮ぶ。 '応答せよ1989' 'アゲイン1989'だ。

原文記事:コ・ジェの止められないハイキックに応答せよ!