【日本話題】「私だけの碁を打ちたかった」'宇宙流'を創始した武宮正樹インタビュー : 【nitro15】

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武宮、"私だけの碁を打ちたかった"
'宇宙流'創始した武宮正樹インタビュー

▲自分だけの囲碁を創造した武宮正樹(写真=韓国棋院).

囲碁は地をたくさん作る人が勝つゲームだ。隅や辺を占めるのが地を作りやすい。簡単に話せば実利を整えやすい。反面中央は地を作るのも難しくて大変で、地を作ったとしても空しく崩れるのが常だ。それでも果敢に中央で闊歩した棋士がいた。それが武宮正樹(64)だ。

彼の囲碁は天元に向かう。多くの棋士が隅や辺で実利を探している時、彼はこれに対し執着せずに中央を合わせる勢力を積む。あたかも地球を離れて宇宙に向かうように彼の囲碁は中央を拠点として壮大に繰り広げられる。人々はこのような彼の囲碁を'宇宙流'と呼ぶ。

武宮はどこの誰も想像できなかった棋風で1980～90年代初期日本囲碁界を平定する。当時のライバルは徹底した実利囲碁を駆使した小林光一. これらは正反対の棋風で日本囲碁の二大山脈を構築して一世を風靡した。すでに20余年が過ぎたけれど囲碁ファンたちは個性が生きてうごめいていたその時期の囲碁を永遠に忘れることができない。去る17日、韓日プロ棋士ゴルフ大会に参加するために韓国を訪れた武宮に会って彼の囲碁と人生話を聞いてみた。

▲武宮(左側)はチョ・フンヒョンを'自身の碁を打つ棋士'と認めた。

最近どのように過ごすのか。

アルゼンチンタンゴに夢中で毎日踊る。一週間に3度、1時間半程度プロにレッスンを受ける。また、色々な人が集まって踊るパーティーにしばしば参加して踊る。

タンゴの前にはどんな趣味があったのか。

社交ダンス、マージャン、ゴルフなどを習った。何でも一度夢中になれば正常な感覚でないほど陥って、しまいまで見届けるスタイルだ。

最近囲碁も置くのか。

盛んな選手として活動する時ほど囲碁に大きく気を遣いはしない。軽い気持ちで時々碁を打ったりする。

宇宙流はどのように誕生したことなのか。

十四才で入段する当時には私は実利を追求する平凡な棋風の所有者であった。 15～16才から単純に地を作る碁を打つよりは何かおもしろくて新しい手を置いてみたいという気がした。それが宇宙流の始まりであった。

宇宙流にはどんな哲学が含まれているか。

'違い'だ。私は誰でも行く平凡な道は行きたくない。したがって誰でも置く囲碁は置きたくない。

定形化された囲碁を拒否するということなのか。

そうだ。特に私は定石のとおり置く事が好きじゃない。いくつかの定石は碁盤の4分の1を占めるのだがそんなのは絶対置かない。私は私だけの碁を打ちたいのであって定石を覚えて他の人々と同じ碁を打ちたいのではない。

地をたくさん作ってこそ勝つ囲碁で宇宙流は不利な作戦ではないのか。

知っている。私も中央勢力作戦を広げて一度に崩れれば気分が良くはない。だが、あらゆる事を覚悟して置くことだ。

囲碁もゲームなので勝敗が重要なはずなのだが。

もちろん勝つことが負けることよりいい。だが、真の勝利は私の考えを碁盤に一手一手広げながら相手に勝った時だ。人々はただ勝つための利己的な碁を打つ。だが、それは囲碁ではない。

勝敗に執着しない方なのか。

意図した通り碁を打った時はたとえ負けても勝負に超然とすることができる。だが、私が描いたように囲碁がならなかったとすれば勝っても気分が良くない。しかも相手のミスで囲碁に勝った時はより一層気分が良くない。

過去の囲碁界と現在の囲碁界を比較するなら。

個性が消えたことが残念だ。以前には本人の棋風のとおり碁を打つ棋士がいた。だが、今は全て勝つための碁を打って見たら棋風が皆似てきた。自分のスタイルを維持して短所を補完しなければならないが、1,2番置いて勝率が低ければ本人のスタイルをあきらめることだ。そうするうちに同じ棋風内で失敗が少ない選手が勝つつまらない囲碁になった。

自身の碁を打つ棋士を挙げるなら。

韓国にはチョ・フンヒョン、イ・セドル、日本には井山裕太がいる。

日本の囲碁が以前と同じではない。理由が何だと考えるか。

社会が発達して人々の関心事が多くなった。だが、日本でも独歩的な第一人者が出てくるならば再び人々が囲碁に関心を持つこともできると考える。私は井山裕太からその希望を見ている。

願いがあるならば。

囲碁のようにそれぞれ違うことを尊重する世の中になることだ。

もう少し具体的に説明してほしい。

囲碁は100人が打てば100対局すべて違った囲碁が出てくる。またそれぞれ違う棋風が会った時さらにおもしろいところが広がる。人が生きる世の中も同じだ。すべて違う事が当然のことで、違いが会ってこそ調和とシナジーができる。

世の中はそうではないという意なのか。

そうだ。現実では一部の人が違いを政治的に悪用して権力を取って利益を得る。日本では安倍政権が軍国主義を追求してこれを反対するデモが連日広がっている。とても残念な状況だ。世の中も囲碁のように人間の違いが自然に交わることができれば良い。

囲碁を一言で表現するなら。

神が人間に与えたプレゼントだ。囲碁に夢中になれば全ての事を忘れることができる。神が人間のために下賜した特別なプレゼントではないならば囲碁を他に説明する方法がない。

武宮正樹:1951年日本、東京出生.65年木谷実門下入門.65年入段.1976,80,85～88年本因坊、90～92年十段戦、95年名人戦、88～89年富士通杯世界囲碁選手権大会、89～92年TVアジア選手権大会タイトル獲得.2006年通算1000勝達成.

上の記事は9月24日付中央日報チョン・アラム記者による'宇宙流'創始した武宮"私だけの碁を打ちたかった"をタイジェムで編集しました。

TYGEM /中央日報チョン・アラム記者、編集イ・ヨンジェ