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"中国の古力を破った後、楽になった"
TVアジア選手権優勝イ・セドル インタビュー

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 ▲ 2000年代第一人者として君臨したイ・セドル9段. 
彼は"四十才までは後輩らと競争しても押されない自信がある"として"以後は今から心配する必要はないようだ"と話した(中央フォト). 

イ・セドル(32) 9段は健在だった。 先月28日ソウル、江西区(カンソグ)、外鉢山洞(ウェバルサンドン)メイフィールド ホテルで開かれた第27回TV囲碁アジア選手権大会決勝で彼はパク・ジョンファン9段に207手で黒中押し勝ちをおさめた。 この大会通算四回目の優勝だ。

決勝戦を終えて会ったイ9段には余裕が感じられた。 1995年7月2日入段してプロ棋士経歴だけで満20年だ。 彼は前よりはるかに柔軟で、且つ硬くなっていた。 勝負師歴の後半戦を迎えている彼の話を聞いてみた。


最近囲碁でたびたび失敗が出てくるようだ
 
1分秒読みに自信がなかった。超早碁は感覚で我を忘れて置けば良いが、1分秒読みは1分を最大限活用しなければならない。私は後輩棋士より1分に対する活用度が落ちる。

年齢のせいなのか
 
そうだ。年を取ると考える速度がますます遅くなる。囲碁内容もたくさん有害だ。勝負に対する執着も以前より減ったようだ。

年を取れば囲碁で不利な点は
 
年を取って経験が積もるのは良い点だ。だが良くなかった記憶がさらにたくさん残るのが問題だ。幼かった時は果敢に置いたことも年を取れば縮こまってあきらめる。最近には60%の成功確率があっても妥協する。克服しなければならないと考える。

プロ生活中で最も記憶に残るものは
 
2002年第15回富士通杯優勝で初めて世界大会を制覇した時、2003年イ・チャンホ9段に初めて勝った時、昨年古力9段との10回戦で勝った時だ。古力との10回戦が終わった後は何か成し遂げたようで心理的に楽になった。

最近になって成績が振るわなかったが。
 
2013年が深刻なスランプであった。昨年は古力9段との10回戦で勝ったので不満はない。今年はまだ三星火災杯・梦百合杯が残っているので終わってみてから分かるようだ。

スランプ理由を何だと考えるか
 
色々なものがあるだろうが妻と娘がカナダに発ってキロギアッパ(一人暮らしの父)になったのが最も大きい理由だった。結婚して家族ができたが突然一人になると心理的にたくさん揺れた。

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▲ TVアジアでパク・ジョンファンを破って2年連続優勝したイ・セドル(右側)

囲碁を一言で表現すれば
 
私の存在自体だ。イ・セドルと言えば浮かぶのが囲碁だ。私の存在を証明できたという点で囲碁を通じて多くの幸福感を感じた。

他の人生を生きることができるならば
 
囲碁を趣味では習いたいがプロ棋士をまたしたくはない。してみたので他の人生を生きたい。何より勝負で負けた時の敗北感がとても辛い。

そのような敗北感をどのように克服するか。
 
焼酎を飲む。 以前には家で飲んだが今は主に友達らと飲む。 家で一人で酒を飲めば本当にわびしい気がするからだ。 酒の他のストレス解消法を探すべきなのだが容易ではない。

最近圧倒的第一人者がいないが
 
囲碁界のパラダイムが変わったためだ。以前には個人対個人の戦いだった。だが、もう共同研究が活発になされて団体対団体の戦いになった。自然に自分だけの手を置くのが難しくなり、圧倒的第一人者も簡単に出てくることはできない構造になった。

今を春秋戦国時代だとする
 
当分このような状況が持続するだろう。我が国だけでなく中国も同じだ。棋士が一回ずつ巡って優勝している。囲碁実力が上向き平準化されて見たらその時ごとに大会別にコンディションが最も良い選手が優勝することだ。他の見方をすれば非常におかしな状況だ。

個性がなくなったことなのか。
 
そうだ。以前にはプロ棋士ごとに区別される棋風があったし独創的な手もたくさん出た。だが、最近の囲碁はそうではない。団体で研究をして結果を共有するので序盤に似た形がとてもたくさん出る。全体的に面白くなくなった。

第一人者が出てきにくい。
 
違う。いつか時代の天才が出てくるだろう。今は囲碁が団体での戦いという過渡期を経ているけれど、この時期が停滞すれば団体を超越する第一人者が出てくるほかはない。それが韓国から出ればいいという感じだ。

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期待される後輩は
 
パク・ジョンファン9段が今でも最高だが、これから全盛期を迎えるだろう。その後にはシン・ジンソ、シン・ミンジュン3段がいる。特にシン・ミンジュンは最近囲碁の枠に入って行くようでほほえましい。

囲碁の枠に入って行くとは。
 
最高級棋士の囲碁を見ればあらすじがある。これに対し比べて幼い選手たちはよく置いてはいるがつじつまが合わない。状況ごとに適合した手を置いて見たら全体の仕組みが粗雑なことだ。対局の全体的なあらすじが見えてこそ囲碁の枠に入ったと見られる。

今後の目標は。 
 
古力9段との10回戦が完全に終わったとは思っていない。 古力が去る6月に第6回春欄杯で優勝したので、今度は私の番だ。


◆イ・セドル9段=1983年全南(チョンナム)新案出生.1995年入段.2000・2002年囲碁文化賞最優秀棋士賞.2005年囲碁大賞勝率賞.2006~2008・2010~2012年囲碁大賞最優秀棋士賞.年間賞金歴代1位(2014年14億1000万ウォン),通算タイトル獲得46回(国内28回世界18回). 

上の記事は中央日報9月3日付チョン・アラム記者の「囲碁第一人者に聞く 一人暮らしの父になった後スランプ…昨年古力を破って気楽になった」をそのまま移しました。
 
原文記事:タイゼム - 大韓民国1位囲碁サイトTYGEM.COM