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レポート記事:【日本電聖戦】第3回電聖戦二十五世本因坊治勲vsコンピュータソフトは1勝1敗 : 【15】
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原文記事:ネットマーブル囲碁nTV |メイン|囲碁のすべて、囲碁nTV趙治勲9段に4子で勝つ囲碁プログラムをご存知ですか?▲ ‘DolBaram’の製作者イム・ジェボムさん.3年後にはプロ棋士と互先で持ちこたえることが出来るプログラムを作るのが目標だと明らかにした。去る17日、国内囲碁界に穏やかな波紋を呼び起こしたニュースが飛び込んだ。日本で趙治勲9段が人工知能囲碁プログラムを相手にそれぞれ3子と4子の置き碁を行ったが、一度は勝って一度は負けたとのこと。
そしてここで波紋を起こしたニュースというのは‘熱血男児’趙治勲9段ではなくて趙治勲9段を相手に4子置き碁で勝利した‘DolBaram’という人工知能囲碁プログラムだった。
‘DolBaram’は韓国の人工知能分野専門家イム・ジェボムさんが作ったプログラムなのだが囲碁界ではこれまで何人かを抜いては韓国に人工知能を装着した囲碁プログラムがあるのかさえ知らなかったのが事実だ。日本のUEC大学(電気通信大学)は毎年全世界人工知能コンピュータを対象に囲碁大会を開いているが今年8回目をむかえた。この大会ではこれまで私たちの耳にもなじむフランスのクレージーストーン(Crazy Stone),日本のゼン(Zen),北朝鮮の銀星などが入賞してきたが今年は韓国の‘石風’(DolBaram)が初出場で準優勝の成果を出したのだ。韓国の人工知能囲碁プログラム‘DolBaram’の製作者イム・ジェボム(44)さんに会ってみた。-‘DolBaram’?正直なじみがうすいので簡単に紹介をお願いします。
人工知能囲碁プログラムはこれまでヨーロッパと日本などでは活発に研究が進行されてきたが韓国は皆無の分野でした。本格的な研究は去る2012年から始めたがご覧のようにもうプロ棋士と4子で持ちこたえるレベルまで上がってきたのです。-相当な棋力を備えたプログラムの開発者であるだけに棋力も相当だと考えます。現在していることは何ですか?
そうですね…。(笑い).普通は囲碁プログラム開発者ならば囲碁を非常によく打つと考える場合が多いですが実際には開発者の棋力はプログラム製作に別に重要ではありません。どうせ囲碁はコンピュータが打つことですから(笑い).アマ2~3段程度でしょう。現在はネットワーク サーバープログラマーとして仕事をしています。-2012年から研究してこの程度の実力ならとてもはやい成就ではないですか?
実際には‘DolBaram’が初めての作品ではありません。去る2000年代初め‘パドゥギ’という人工知能囲碁プログラムを開発したことがありました。でもその時はレベルが低かったんですよ。アマ初段レベルにもならなかったでしょう。ところがいくら考えて研究をしてみても‘パドゥギ’は初段以上のレベルを期待しにくかったです。その時は環境がそうしました。私でなくとも他の人も同じだったでしょう。 当時はコンピュータがいくら良くても囲碁の‘場合の数’を推し量りにくい時期であったから….それできれいにあきらめました。-それなら再び人工知能に戻ったきっかけは何ですか?それもはるかに強くなった姿で。
人工知能研究はあきらめていたが何年か前のKGS(日本のパンダネットが製作した対局サーバーでヨーロッパ使用者が80%以上を占めている)で日本のゼン(Zen)に初めて接することになりました。ところがそのゼンが私が不可能だと見た級数に到達していましたよ。日本の武宮9段に5子、4子でも勝つのです。 分かってみると秘密は‘モンテカルロ’方式というアルゴリズムを採択していたことですね。-モンテカルロ方式とは何ですか?
コンピュータの一つのアルゴリズムなのですが色々な分野に応用されています。過去には囲碁に応用する考えを持てなかったのですがこれを人工知能囲碁プログラムに組み合わせて飛躍的な実力の向上が成り立ちました。モンテカルロ方式は一言で定義しにくいですが簡略に話せば数多くの模擬対局の結果に基づいてより良い着手を勝ち取る方式だと考えれば良いです。 なので囲碁では過去勝利した囲碁のデータの量が多い側で着手の結論を下して対局を続けさせるということですね。-それではそれが多いに役に立ちましたか?
もちろん。そのために‘DolBaram’はもちろんで現在の人工知能囲碁プログラムの大部分はモンテカルロ方式をアルゴリズムとしているのです。-それならもうコンピュータがプロ棋士に勝つのは時間の問題では?
いいえ。ところがそれが簡単な問題ではありません。事実人工知能プログラムは去る2012年以後実質的な棋力の進歩がないです。停滞期でしょう。なのでこの数年間発展がなかったという話です。それは皮肉な事にモンテカルロ方式が原因ですが、もうモンテカルロ方式ではこれ以上棋力向上を期待するのが難しくなりました。限界が来ました。 すなわち新しいアルゴリズムが必要な時期になったのですが適当な代案がないということがすべての悩みです。-それでは現システムではこれ以上棋力向上が難しい?
そうです。コンピュータのハードウェアを最大限に引き上げるならば若干の向上はありえるでしょうがもうこれ以上は難しいです。現状態では3子から4子間を抜け出すことができません。当分人工知能囲碁は停滞期に置かれるでしょう。-しかし現在の状態でも商品化は可能でありませんか?実際に日本やヨーロッパでは高段者から低級者まで誰でも自身のレベルに合わせて楽しむことができるプログラムが販売されていると知るけれど。
はい。現在一部製品が出ている事が知られますが製品化欲よりは研究開発にもう少し注力したいです。▲趙治勲9段と‘DolBaram’の4子置き碁対局場面.イム・ジェボムさんが趙治勲9段の向い側に座ってパソコンに置かれた‘DolBaram’の着手を碁盤の上に直接移している(写真=日本棋院).-それなら今後の目標はどうなりますか?
そうですね。先立って申し上げたようにモンテカルロ方式の限界性により正確に申し上げることは難しいですが短期的には今年中にプロ棋士に3子で持ちこたえるプログラムを完成したいです。また、3年後にはプロ棋士を相手に10秒碁で勝つことが目標です。-あえて10秒碁を目標にする理由がありますか?
そうですね….同じ条件で時間が多ければ今のところは人工知能が不利です。10秒ならば互いに失敗が多いので人工知能もするに値しないだろうかと考えるということですね。-話題をコンピュータ囲碁大会に移してみましょうか?大会名称がコンピュータ囲碁大会だったですね?
はい、正式名称は第8回UECカップ コンピュータ囲碁大会.ここで入賞すると準優勝はプロ棋士と4子で、優勝は3子で対局を繰り広げることになるのですがその大会は今年で3回目を迎えた電聖戦でした。‘DolBaram’は準優勝をして趙治勲9段と先に4子置き碁を行ったんです。 制限時間はコンピュータどうし競うUECカップは30分タイムアウト制であり、趙治勲9段との対局は制限時間30分に30秒秒読み1回でした。-初出場で準優勝ならば成果があるということなでしょう。
はい。参加プログラムのレベルをおよそ知っていたのでそれとなく期待はしたのですが準優勝ならば悪くない結果でしょう。特に趙治勲9段と対局を行って話題にもなったからです。-参加した所感はどうですか?
一言でうらやましいです。ヨーロッパや日本では基礎科学に対する学術的支援が十分になされていて、台湾にしても応昌期財団でこのような囲碁プログラム研究に後援をしていると分かるのに我が国はIT強国といいながらもこちらには何の支援もないですから。我が国は学術的支援も微弱でコンテンツ購買文化も成熟してなくて研究開発陣が悪戦苦闘する実情です。”-趙治勲9段と対局を行ったが何かエピソードはなかったのですか?
趙治勲9段は私も初めてお会いしたのですが聞いていたとおり本当に熱情的でした。囲碁が不利ならば自虐する(?)クセがあると聞いていましたがコンピュータと対局しながらもそうですよ。突然頭を殴られたり独り言をつぶやいたりもして….私はコンピュータの着手を碁盤に移す役割を受け持ったのですがおもしろい経験でした。-現地の評価はどうだったのですか?
大会が終わった後、趙治勲9段と依田9段がおっしゃるのは優勝したクレージーストーンは初中盤を級んでいく方式が引き立って見え、‘DolBaram’は中後半、特にヨセに強みがあるという評を聞きました。-それなら本人が考える‘DolBaram’の強みは何だと考えますか?
そうですね。既存の石との関係を重視すると言いましょうか。特に中央で有機的同席関係を重視すると言うことができます。-インタビューありがとうございます。良いプログラムが一日もはやく出てくることを囲碁ファンたちと共に望みます。
はい、ありがとうございます^^インタビュー/ユ・ギョンチュン囲碁ニュースチーム長
レポート記事:【日本電聖戦】第3回電聖戦二十五世本因坊治勲vsコンピュータソフトは1勝1敗 : 【15】
公式サイト:第三回電聖戦
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