KB LEAGUE
色があせたシン・ジンソの'12連勝'
正官庄、最下位新安天日塩に首根っこ

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▲駄目なしで330手。 長々4時間37分にかけて進行された長碁対局でイ・チャンホ9段がシン・ミンジュンに終盤の大逆転負けにあった。 最後のコウをする途中勝負コウにいったのが禍根だった。
 

2016 KB国民銀行囲碁リーグ15ラウンド3試合 
新安天日塩、塩の代わりに粉唐辛子爆弾…正官庄に3-2勝

"暫くして正官庄キム・ヨンサム監督とシン・ジンソのインタビューがあります。"

チーム スコア2-2状況でイ・チャンホ9段とシン・ミンジュンの最終局が結末に至った頃囲碁TV進行要員から伝言がきた。 正官庄の3-2勝利が確実なだけに備えていろとの意に聞こえた。 

夜6時30分に始めて夜11時を遥かに越えた長碁対局は最後のコウ争いを持続して終着駅に向かっていきつつあった。 国家代表チームはすでにイ・チャンホ9段の1目半ないし2目半勝利が確実だという診断がおりた状態であり、何手かすぎて終局になれば正官庄のトップ復帰と主将シン・ジンソの12連勝所感を聞くインタビューが進行される所であった。 

ところがこの局がひっくり返る。 イ・チャンホ9段がヨセでコウをして突然勝負コウをして全版が修羅場になる状況が繰り広げられたのだ。 この突然である事態に退勤を控えていた国家代表チームは'ヘルプミー'というメッセージを投げて、明るい表情でインタビューを準備していたキム・ヨンサム監督もやはり本来の席に座り込んでしまった。 

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▲終局を控えて緊迫した事態が繰り広げられるとすぐに国家代表チームと新安天日塩検討陣が共にモニターを注目している(左側二番目シン・ジンソの後ろ姿も見える)。 以後桑田碧海のフリカワリが度重なった結果はシン・ミンジュンの白 5目半勝ち。 勝利と同時にトップ復帰が予定されていた正官庄にはこの結果が青天の霹靂とも同じだった。 勝者インタビューもやはりすぐに取り消しになった。


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▲ ●イ・チャンホ9段○シン・ミンジュン2016 KB国民銀行囲碁リーグ15ラウンド3試合1局(長碁対局)。


シン・ミンジュンが左上側白1でコウ材を使った時、右辺黒2で勝負コウにいったのが理解し難い敗着。 가に受けておいて道理に従って終えたら微細でも黒勝ちだった('まだ征服するのが難しい山、神算'という国家代表チームの確信にみちたメッセージは終盤のこの事態にあわてて'征服できない山はない'に変わった)。

中継席のイ・ヒョンオク解説者は"ミステリーな状況だ。 イ9段に何か錯覚があったようだ"という言葉で混乱した状況を整理した後"今日当事者であるイ9段やキム・ヨンサム監督は寝付けないようだ"と泣いた心情を伝えた。


この日の勝負は2位チームと最下位チームの対決にふさわしくなく終始二転三転した。 まず対戦から正官庄が悪かった。 

主将シン・ジンソとイ・チャンホ9段だけが相手戦績で僅かな優位を占めただけで残りのキム・ミョンフン、ハン・スンジュ、パク・ジンソルの三人はそれぞれの相手にひと勝負も勝つことが出来なかった対戦だった。

これによって、二試合を連続して5-0で飾った正官庄としても苦戦する流れになり、試合もやはり誰が勝つかわからないフルセット接戦に駆け上がった。 

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▲相手の石に五回も付けていく果敢さを見せたシン・ジンソ。 この勢いに押さえられたのだろうか。 イ・ホボムから大錯覚が出てきて急転直下勝負が傾いた(240手シン・ジンソ白中押し勝ち)。 
 
この日まで12回の勝利が全て中押し勝ちで、そのうち200手を越えた対局が三局にしかならないほど破壊的だ。 ボクシングに例えるとタイソンで、格闘技で言えばヒョードルだ。 イ・ヒョンオク解説者は"こういう途方もない確信、自信を持っている棋士はイ・セドル以外見たことがない"と。


'不敗の主将'シン・ジンソが始めるやいなや12連勝の祝砲を打ち上げたがすぐに新安天日塩のチョ・ハンスン、イ・セドルのワン・ツーパンチに勝点を許容した(新安天日塩2-1正官庄)。 後半は正官庄の粘り強い底力が発揮されて再逆転がなされる雰囲気であった。 

先に5指名パク・ジンソルが相手戦績3戦3敗に押されていたモク・ジンソクを相手に会心の同点打を飛ばした。 開始から超スローテンポを見せた長碁対局はイ・チャンホ9段の優勢が確実だったので正官庄は結果だけ出ていないだけで勝利したのと違いなかった。 ところがこれがひっくり返されるとは。 

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▲農心杯初戦の敗北の痛みを踏んでキム・ミョンフンを158手短命局で制圧したイ・セドル(シーズン5勝4敗)。 10月1日現在通算105勝41敗(71.9%)で2004年囲碁リーグができて以来勝率70%以上を維持しているただひとりの棋士だ。


10勝目を刈り取ってトップ復帰を夢見た正官庄は9勝5敗になって2位に留まった。 二試合連続完封勝ちの勢いが一段弱まったことはもちろんシン・ジンソのきらびやかな12連勝も色があせた。 

反面新安天日塩としては久しぶりに味わう蜜のような勝利であった。 この日勝っても4勝9敗で順位は相変らず最下位。 だが、優勝候補正官庄を相手に4連敗の鎖を切って自尊心をたてただけでなく、以後の歩みによっては中位圏まで見上げることができる踏み台が用意された。

農心杯初戦敗北で意気消沈していたイ・セドルがキム・ミョンフンを相手に快勝をおさめたのも少しは慰労になることだった。 

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▲試合前チョ・ハンスンに対して"自身と棋風がひどく相克だ"として苦々しさを見せたハン・スンジュ(右側)。 相手戦績4戦4敗が5戦5敗につながって最近5連勝の勢いが止まった。


2日には並んで5勝7敗を記録している5位と6位、華城市コリヨと韓国物価情報が15ラウンド最後試合を行う。 ここでまけるチームは事実上脱落、反面勝ったチームはか細いポストシーズンの希望を生かすことができるのだが一本橋の血みどろの戦いが予想される。 

対戦はパク・ジョンサン-ハン・テヒ、イ・ヨング-ウォン・ソンジン、キム・ジョンヒョン-ペク・ホンソク、ホン・ソンジ-ホン・ミンピョ、アン・チョヨン-アン・ククヒョン。

前半期には華城市コリヨが韓国物価情報を3-2で勝ったことがあって、ビッグマッチのイ・ヨング-ウォン・ソンジンの主将正面対決は前半期(イ・ヨング、勝ち)に続くリターンマッチだ。 

9個のチームがダブルリーグを行って上位四チームがポストシーズンに上がって最終順位を争う2016 KB国民銀行囲碁リーグのチーム賞金は1位2億ウォン、2位1億ウォン、3位6000万ウォン、4位3000万ウォン。 賞金とは別に毎対局勝者は350万ウォン、敗者は60万ウォンを受ける。 

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▲モク・ジンソクに3戦3敗にあって初勝利をおさめたパク・ジンソル(左側)。 今回のシーズン最強の5指名らしく最多勝5位(9勝5敗)に名前を上げた。


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▲ 2試合を残した正官庄は16ラウンドでKixxと、17ラウンドではSKエンクリンと順に対決する。


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▲シン・ジンソとイ・ホボムの復碁をつくづくと見守るイ・セドル。 2009年の休職波動以後、今年のように屈曲が多い年があっただろうかと思う。 '革命児'や'トラブルメーカー'の論議もまた、相変らず現在進行形だ。


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▲新安天日塩の試合がある日なら間違いなく現れてクッキーをプレゼントする二人の女子学生が初めてカメラ前に座った。

左側が京畿道(キョンギド)、城南(ソンナム)に住むチェ・ソヨンさん(中3)、右側がユク・ダウンさん(高3)だ(囲碁リーグ検討室で知らない人がいないほどになったユクさんはこの日は放送インタビューもした)。

二人はお互い知らない間柄であったがイ・セドル9段のAlphaGo対局をきっかけに知るようになった後は実の姉妹以上になったと。
 
KB囲碁リーグ


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チーム順位

1位 ポスコケムテック(ポストシーズン確定)
2位 正官庄
3位 SKエンクリン
4位 Tブロード

5位 華城市コリヨ
6位 韓国物価情報
7位 キックス
7位 BGFリテールCU
9位 新安天日塩 
 
原文記事:KB LEAGUE