HANGAME
酒で、運動で…囲碁強者のストレス解消法

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 ▲勝負を一生の生業として生きるプロ棋士は勝敗に敏感になるほかはない。 プロ棋士が大会期間中休息を利用して足球で緊張をなだめる姿。
 

プロ棋士は敗北の痛みをどのようになだめるだろうか
たいてい'酒が薬'…睡眠・運動など様々

負ける事が好きな人はない。 敗北を楽しむという言葉は話にならない。 勝敗は兵家の常(勝敗兵家之常事)だが感情を全て隠して超然とするわけにはいかないのが人の常でもある。

毎日のように勝敗の双曲線に閉じ込められて生きるということが職業であるプロ囲碁の勝負師。 ひと勝負ひと勝負に一喜一憂して、敗北ごとに感情の谷を表わすことがもしかしたら自らをさらに困らせることになったりもする。 それでもそのまま見過ごすことはできない苦い敗北がある。 

とうてい納得できない敗北にあった時の痛みとは…。 欄干の終わりをとらえて行った乾坤一擲の勝負で負けた時のその喪失感とは…。 

大韓民国の主婦は'名節症候群'を体験するというが一日一日薄氷勝負を展開するプロ棋士はそのストレスをどのように解いて、その痛みをどのようになだめるだろうか。 緊張感の連続である勝負世界で長寿の秘訣といっても過言ではない。 

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▲イ・セドル9段(左側)は敗北の痛みは勝って解くのが一番良いといってもたいてい毒酒(きつい酒)で心をなだめる。 パク・ジョンファン9段(右側)は酒とは程遠い。


各々様々だ。 イ・セドル9段は"負けた痛みは勝って解くことが一番良い"と話す。 そうすることができるならば良い。 ただし約束のない解消法だ。 相手にいつまた会えるかどうかわからず、また、雪辱するという保障もない。 

その場はきつい酒で辛い心をなだめる。 以前には家で飲むことが多かったが最近では親しい人々ともしばしば会う。 数年前妻と娘(留学)がカナダに発って一人暮らしの父になった時には家で一人で飲めばわびしい気がするといった。

趙治勲9段は年初に行ったソ・ポンス9段との'韓国囲碁伝説'で大石の腰が切れて捕えられる失敗をしては大きい声で自ら叱責しても足りなくて髪の毛をむしりとって、金槌を振り下ろすようにげんこつで頭を強く殴る姿が数回も生放送画面に捕えられた。 宿舎に戻るタクシーの中でも同じ動作を繰り返した。

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▲勝負欲がものすごく強い趙治勲9段は対局中にうめきを吐くのは言うまでもなく、髪をかきむしりながら自ら叱責する。



'命をかけて打つ'という信念を持っている趙治勲の勝負欲は想像以上だ。 自分の失敗による敗北には自虐するように苦しむ。 "以前には囲碁がとても遅く終わってすることもなくて酒をものすごくたくさん飲んだが最近は早く終わるのであまり飲まない"と言った。

多くの成人プロ棋士がイ・セドル・趙治勲と同じ部類に属する。 酒がすぐに'薬'になる。 酒量ではパク・ジョンサン、ウォン・ソンジン、チェ・チョルハンなどが斗酒不辭の'9段クラス'として知られている。

酒を全くたしなむことができないチョ・フンヒョン9段は一時有名な愛煙家であった。 今は対局場でタバコを一切吸うことができないが若い時期には囲碁ひと勝負に三箱を基本で吸った。 そのタバコをある日急に断ってしまった。 弟子イ・チャンホの困惑する理由がタバコにあると考えたためだ。 

それから山に登り始めた。 暇さえあれば家の近所の北漢山(プッカンサン)を居間の敷居のように上がっては下りた。 タバコをやめたおかげで禁煙広告にも出演し、また、登山で体力鍛練も兼ねたのでそれこそ一石三鳥であった。 そのチョ・フンヒョンは50才の時世界大会(三星火災杯)を優勝した。

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▲ 2015囲碁大賞の祝い公演で隠れた'才能'を発揮した女流棋士。 ストレス解消法でもある。
 

勝負に負けると妻たちが受けるストレスも無視できない。 帰宅した夫とは話もまともにしないで表情だけ見る。 以前ボーリング、卓球、テニスなどで緊張感をほぐしたイ・チャンホ9段は結婚後は登山と赤ん坊を見る楽しみに代った。 二人の王女の可愛いしぐさに敗北の痛みもするする溶ける。 '娘バカ'チェ・チョルハンも娘の笑いが精力剤だ。

キム・ジソク9段はこういう事があった。 新鋭棋士時期なのだがLG杯本戦で中国のス・ウェに負けた後、憤慨して宿舎ベッドの枕に顔を埋めて鬱憤の声を吐き出したというエピソード。 その声がどれくらい大きかったのか隣室はもちろん宿舎棟に響くほどであったという。 

バドミントン強者でもあるキム・ジソクは一時は柔道など運動をたくさんしたが最近では時々復碁で物足りなさをなだめる程度で、これというストレス解消法がない。 解こうとして解けるのではないという。 キム・ジソクはあまりインターネット碁を打たない。

インターネット対局マニア パク・ジョンファン9段は'10秒碁'でストレスを発散する。 重大な対局を敗れた日にインターネットで10秒碁を打つのを見たという目撃者は頻繁にいる。 最近は'20秒碁'を愛用するのだが一日10対局を超える時も少なくない。 

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▲携帯電話で復碁をしているようなこの姿は実はコ・ジェ9段がゲームを楽しんでいる姿だ。


中国のコ・ジェ9段も夢百合杯決勝途中の夜にインターネットワールドに登場して相手をサンドバッグにみなして腹いせしたというエピソードを持っている。

酒を口にできなかったりたしなむことはできない棋士を除いてはほとんどが酒で痛みをなだめて苦しさを取り出す。 その他の運動などは付随的な解消法だ。 それなら未成年棋士はどのようにするだろうか。 

大多数の10代棋士はゲームで解消する方が多いが十六才の少年チャンプシン・ジンソ6段はちょっと違う。 対局する時にはゆがむ表情がたびたび見られるがストレスを別に受けないという。 気持ちが楽ではない日の夜は少なく寝て、一日、二日過ぎれば自然に忘れる。 途方もない長所だ。

女流ランキング1位チェ・ジョン6段はたくさん歩いて考える時間を設ける。 また、一人で音楽を大きくかけて踊るのも彼女だけのストレス解消法だ。

この他に読書をしたり、最初からふとんの中に頭を埋めて眠りを誘ったり、極めて一部だが敗北の痛みを感じない楽観派(パク・ヨンフン)もいる。 
 
原文記事:HANGAME