CYBERORO
‘大蛇’らの集合所、チュンアム囲碁道場に行ってみると
“プロ オールインではなくアマで生き方も摸索”

※訳注: ‘大蛇’=韓国囲碁界で龍(プロ棋士)になって昇天できないまま満19才の年齢制限規定にかかって韓国棋院研究生から退出した者を称する隠語。
 
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 ▲オリンピック アーチェリーより競争が激しい入段関門を突き抜けるために努力するチュンアム道場の囲碁未来の卵。


[出処]日曜新聞にユ・ギョンチュン客員記者による[‘大蛇’らの集合所、チュンアム囲碁道場行ってみると']を移しました。○●日曜新聞記事原文


2016年8月現在国内プロ棋士数は322人。 このうち男性が265人、女性は57人だ。 一時門戸が1年に2人で非常に制限的だった時期もあったが、最近ではかなり広くなって年に17人のルーキーがプロ舞台にデビューしている。

プロ棋士は韓国棋院が主管する国内外の大会に参加することができ、最近にはアマチュアもオープン棋戦等を通してプロ棋戦に参加することはあるが、非常に制限的でプロ達に混ざって成績を出すことは非常に難しい。

新しい入段者などの大多数は長い間の研究生と道場生活を経て誕生する。 研究生はプロ棋士を志望する未来の卵をいう。 韓国棋院ではこれらをプロ棋士として排出するために管理するのだが多くの入段者などはこの研究生制度を通じてプロデビューすることになる。 そして囲碁道場はこれら研究生を発掘、育成する前哨基地ということができる所だ。

チュンアム道場は2011年オープンした。 歴史が短いようだがそうではない。 既に運営中だったユ・チャンヒョク道場、ヤン・ジェホ道場、ホ・チャンフェ道場が1ヶ所に集まって誕生した。 ここに昨年近隣のミョンジ道場まで結集したので規模や人員面で国内最大規模だ。

現在80人余りが入段を目標に道場に籍を置いていて入門班と囲碁教室、成人班などを加えれば囲碁を志望する人員だけで約160人程度になる。 

“チュンアム道場の最大の強みはチュンアム高校と連係して高等教育と囲碁教育を並行して授業するという点です。 もし入段に失敗しても最小限高等学校卒業証書は手に入れなければならないというのが私どもの立場です。 プロのほかアマチュアで生きていく方法も一緒に模索しています。”(チョ・ククァン運営院長) 

以前には激しい場合、中学校進学もあきらめて囲碁にオールインする場合もあったがチュンアム道場の場合、最小限午前授業は受けて午後から囲碁授業をする。

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▲チュンアム高校出身プロ棋士はイ・チャンホ9段、ユ・チャンヒョク9段をはじめとして150人余りに達して総段位は1000段に迫る。
 

プロを志望するためにはある程度の費用がかかる。 現在チュンアム囲碁道場、陽川(ヤンチョン)テイル囲碁道場、チャン・スヨン囲碁道場、イ・セドル囲碁道場を国内4大道場として選ぶのだが若干の差はあるがこれら囲碁道場の月受講料は90万~100万ウォン程度だ。ここに宿泊をするならば50万ウォン程度が追加される。

かなり大金がかかるようだけど他の種目に比べれば高い方ではない。 他の種目が時間別ローテーションが可能で毎分レッスン費を受けるのに反して囲碁道場はほとんど終日制だ。

チュンアム道場の場合、学校授業を終えた午後1時20分から9時までが正規就業時間で一部道場は午前9時から始める所もあるのでこの程度なら管理を受けることに比べて高いとはいい難い。 

囲碁道場の門を叩くほどならば棋才はあるとみなければならない。 たいてい入段直前の研究生身分である場合が大多数で最低でも研究生を目前に控えている子供たちが道場に籍を置いている。

‘入段’に対して話をするにはまず‘研究生制度’を理解する必要がある。 現在(財)韓国棋院では1年に17人のプロ棋士を選抜するのだがおよその内容は次のとおりだ。

まず女流プロ棋士4人を選んで、15才以下英才入段大会を通じて5人を選抜する(英才入段大会は15才以下だけ参加が可能)。 ここに研究生リーグ内申1位1人、研究生入段大会を通じて1人、地域研究生1人に誰でも参加が可能な班である入段大会を通じて5人を加えて合計17人が選抜される。

入段者の大部分が排出される研究生は1組~6組で編成されていて徹底的に実力中心に分かれる。 
 
1組が最も強い集団で研究生1軍と呼ばれる1組~3組は組当たり12人で構成されていて毎週週末ごとにフルリーグを通じて昇級と降級を繰り返す。 2軍である4組~6組は一組に32人が属している。 ここはスイスリーグを通じてやはり等級が決定される。 最も下の等級である6組で成績が悪い場合、研究生から退出する。 

よくオリンピック アーチェリーで金メダルを取ることより国家代表になることがさらに難しいというのだが囲碁研究生制度はそれより増すことはあっても絶対できなくない。 

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▲チュンアム道場で実質的運営を受け持っているチェ・キュビョン9段は囲碁普及のためにも入段門を広げる必要があると話す。


チュンアム囲碁道場で実質的な運営を受け持っているチェ・キュビョン9段は2人を印象に残る弟子に選んだ。 “パク・サンジンは最近浮き上がるシン・ジンソより一歳幼いが棋才が卓越します。 まだからだが弱くて頭角を現せずにいるが注意深く見る必要があります。 何より囲碁に対する姿勢が良いです。 小学3学年の時から指導しているがすでにその時から囲碁に対する姿勢があたかも修道僧のようでした。 見るたびに感心したことを覚えています。 

シン・ジンソは独学で5学年の時に私たちの道場に初めてきたが、その時すでにかなり実力がありました。 ジンソは実力も実力だが運がたくさん従ったケースです。 ジンソがきた頃がチュンアム道場が一番実力が強い時期だったが当時新鋭プロ30人が道場で勉強し、入段を目前に置いた大蛇30人がやはり独自のリーグ戦を行う時でした。

その競争が本当に激しかったのだがジンソがそこで実戦を行って恩恵をたくさん受けました。 ジンソは勉強より実戦で棋力が向上した囲碁ですね。 おそらくその時の経験が大きい滋養分になったでしょう。 

また、ジンソはすでに12才頃次期入段大会シードを受けるほど実力が強かったのだが突然英才入段制度というのができてプロ舞台に無血入城しました。 彼だけが違います。 入段をしたところ突然国家代表育成軍が作られて英才入段者であるジンソは自動で育成軍に編入されました。

超一流といえる国家代表らと一緒に訓練することになったでしょう。 それもまた途方もない幸運でした。 顧みればすべてのシステムがあたかもシン・ジンソとシン・ミンジュンのために作られたような時期でした。” 


だが、日の当る場所があれば日陰もある。 チェ・キュビョン9段にも悩みはある。

“入段門戸が広くなったがまだ不足します。 囲碁界が賞金制として転換されたのですでにプロ ライセンスは格別意味がないです。 現在私どもをはじめとして各囲碁道場院生のうち約10%だけが入段に成功して残りは死蔵されている状態です。

それではプロに次ぐ実力を持っても退出する計算なのだがこれは望ましい現象ではありませんね。 個人的にガイドラインを低くして今より多くの人々にプロ免状を与える必要があると考えます。

実力がなければ自然に他の道を探すでしょう。 だが、その時は敗北者ではないでしょう。 そして彼らが社会所々に入り込んで囲碁を自然に伝播するだろうと見ます。 それが真に囲碁を普及させることではないでしょうか。 囲碁界はもう少し視野を広げる必要があると見ます。”
 
原文記事:CYBERORO