CYBERORO
悲しい私たちの自画像
満40才になった日に書いた‘グラの日記’
 
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▲このような感じ。 ニギリの時のドキドキする、ときめき、緊張、いらだち、圧迫感…もうちょっとしばしば、できるだけたくさんニギリの瞬間をむかえたい。 誰か大会で叫んだって? 私たちもそのように"狂ったように碁を打ちたいです!"

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[キム・グラの舌戦説戦-第33回] 
'盤上のグラ'キム・ソンリョン9段.強大な口が立つことを自慢して得たニックネームだが派手なアドリブでも、取るに足らない雑談でも付け加える水準ではなく。ステレオタイプの解説とは距離が遠い、率直溌剌直線的な語法でファンたちを楽しませる。毎週サイバーオロが蓆を敷く。週間観戦評'キム・グラの舌戦説戦'.  

今回は満40才になる日に書いた日記だ。 プロ囲碁界の現実を、'三放世代(恋愛、結婚、出産を放棄)'の大韓民国20代と異なる事がない20~30代韓国プロ棋士の現在を詠唱した文だ。

 


応氏杯決勝1、2局が終わった。リオオリンピックも真っ最中で韓国棋院では入段大会をしている。 本当に今年の夏の猛暑に息詰まる暑さぐらいプロ囲碁界もやはり熱いものか? 

答は、はいといいえがくっきりと分かれる。 

イ・セドル、パク・ジョンファン、カン・ドンユン、チェ・ジョン、オ・ユジン、ソ・ポンスは不況を避けている最高のブルーチップだ。 その他残りの棋士はどうだろうか? 1960年代囲碁界が胎動した草創期に回帰した感じすらするほどだ。

かえってIMF時は幸せだった時期ではなかったのだろうか。 
2015年から今まで、以前とはあまりにも別の環境が呼び起こしたプロ囲碁界の話をしてみよう。 

その前に一つ必ず理解するように願う。 囲碁プロ選手は野球選手のように大会参加手当て(対局料)がその人の1年全体の収入ではないという点をわかっていなければならない。

たとえば筆者は今年大会参加手当てで合計20万ウォンを稼いだ。 だが、それでも1年の年俸が20万ウォンでは決してない。 そして大多数の大会参加手当てが年1000万ウォンにならなければレッスンやその他の収入で生計を維持して大会を準備する。 
 

#1過去は流れた
 
ペ・テイル博士様が作ったランキング点数を見てプロ選手はいくつかの本質的な乖離感に陥ったことがある。



ランキング点数制を試みた2009年までもいくら成績が良くてもタイトルがない棋士がタイトル ホルダーより優位にあることが理にかなっているのかという論議だった。

プロは当時にはこのような観点が主流をなした時だ。 
 
1。日本囲碁を見て習った世代には藤沢秀行は相当な影響力がある。 
 
2。日本最高の棋戦である棋聖戦だけにオールインした藤沢9段が“1年に4局だけ熱心に打つ”という話は趙治勲9段の“命をかけて打つ”という話と一緒にプロ棋士の心がけを代弁する。 
 
3。オリンピック メダル順位を総メダル個数にするアメリカとは違って銀メダル100個より金メダル1個がさらに高いと感じる私たちには1等には当然タイトル保有個数がさらに重要だと感じるという点だ。

ここには上の話を正当化する大きい力になる。 


#2逆差別の時代
 
2016年。 今年世界大会とイベント棋戦そして女性や新鋭棋戦とシニアだけ参加する制限棋戦を除けばすべての棋士が参加した大会はいったいいくつあったのだろうか?
 
-あきれることにちょうど一つだ。 (kbs囲碁王戦)

それなら9月以後に大会が集中して開かれるのか? 
 
-そうではない。 せいぜい1~3個程度が開かれる。 


すべての棋士が参加する大会(棋戦)がないからタイトル保有者がいない。 
プロはたいてい全て参加しない大会は賞金が多くても価値を大きく認めない。 
 
1。反対に話せばタイトル保有者になるには世界大会優勝をしなければならない時代になった。
 
2。多タイトル保持者が出てくるのは当然難しい。 
 
3。自然にランキング点数の比重が相対的に中国リーグと韓国囲碁リーグが絶対的になった。 

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▲韓国囲碁史で女流棋士が最多勝ランキング1位を走ったことがあったか? それも2年連続上半期最多勝1位だ。 8月12日現在59戦46勝13敗で最多勝1位を走っている棋士がチェ・ジョンだ。
最強者であるパク・ジョンファンより7対局もさらに打っている。 チェ・ジョンは今年前半期にだけ賞金8400万ウォンを上げて賞金ランキングでも7位に上がって男性棋士らと肩を並べている。
プロは実力で話をするので当然の結果だ。 韓国女流囲碁の牽引者としても本当に感心する。実にすごい。 私たちの自慢だ。 ただし望むならば、同じ年頃の若い男性棋士もこのように奮発する舞台が、機会が与えられることさえできるならば。
 



ところがこのような内容も書いてみる。 
 
2016年最多勝ランキングを見ればなじみのうすさを感じることがある。 最多勝1位がチェ・ジョンで50位までに女流が10人、シニア3人も含まれている。 どのように解釈しなければならないのか。

イベント棋戦があまりにも多くて女流棋士は有史以来最大好況を享受しているという話だ。 さらにチェ・ジョンは韓国女流リーグはもちろん中国女流リーグを全て走っていて、女流世界大会と男性(!)世界大会も同時に出て行っている。

女流棋士育成策を考慮してこれまでこの問題に対して言葉を慎んだが囲碁もスポーツであるだけにもう女子選手が男性棋戦に参加すれば女流棋戦には参加しないという規定が必要な時期になったと見る。


1。韓国棋士トップ3の年俸は平均5億ウォン以上だ。 
 
2。13人は億台年俸者だ。 そこには女流棋士も含まれる。 タイトルを取らないでも億台年俸が可能だ。 タイトル保有者=億台年俸、これ以外のある程度の強者でも人が羨む水準が可能になった。 
 
3。50位まで平均年俸は5000万ウォンを越える。 
 
4。実際の50位は3000万ウォンを少し越えるが、前の億台年俸が平均をちょっと上げた。 
 
5。2200人の韓国ゴルフ プロのうち130人だけが大会に出場する。 残りの2070人は賞金が0ウォンだ。 それでも残りの選手たちはみな飢えて死ぬだろうという表現を使わない。 これらもレッスンなど他の方法で生きていく。 大多数が大会に出て行かないのであえて引退規定を作る必要がない。 


この前までしばらく悩んだプロ段位問題、入段者数問題、ランキング点数問題、プロ引退問題、こういうものは自然に解決されるようだ。 全体棋士が参加する棋戦が0になれば(残り少ない)このようになるはずだから。



イベント棋戦は引退した人でも現役プロでもアマチュアでも、女流棋士で限定しようが年齢制限を設けようが、みなスポンサーの思いで棋戦を作る(あるいは誘致する)のでもう少し自由だ(容易なコーナーがある)。

また、人員制限も思いのとおりで規模(予算)が大きくなくてもかまわない。 したがってこのような傾向が持続するならば-

1。選手としてプロはイベント大会を除いて事実上参加する大会がないからあえて引退を規定する必要もない。 事実上ゴルフの2070人と同じ状態だから。 (トーナメント選手としては終了状態)
 
2。プロの段位問題は当然昇段大会で対処する方法がないからあえて維持するには総勝数のような若干の実力と経歴の代わりにするしかなくなるだろう。 
 
3。ランキング点数は先立って話した通り世界大会、中国リーグ、韓国囲碁リーグに決定されるほかはない。 
 
もう本戦進出0でも囲碁リーグで強者であればランキング上位圏可能だ。 
 
4。入段者数は今後大きく意味がない。 人を教える程度になり囲碁が職業である人はレッスンプロの資格から与えて囲碁普及側の人材をもっと増やせば良い。

全体棋士が参加する大会が多ければ予算問題が引っかかるが大会がない状況ではかえって入段者数を増やす問題は有利になるだろう。

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▲熱い9連勝で再び'真露杯9連勝神話'を思い出させたソ・ポンス9段。 舞台はGGオークション杯、女流棋士とシニア棋士が男女対決を行うイベント棋戦だ。

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▲国家代表監督様も制限棋戦であるシニア棋戦で走る。 女流棋戦にも、シニア棋戦にもこちらにもあちらにも挟まれない20代、30代棋士はうらやましい。
 

#3プロ囲碁20代も'三放世代'
 
囲碁界だけではない。 社会的にも今20代が直面している難しい境遇に対して話をたくさん聞く。 現在囲碁界も20代の若い棋士が直面している境遇は別段違うところがない。

ある20代棋士、成績がそのまま普通水準である棋士は“私たちにとっての最高棋戦はSGペア碁大会”だと自嘲混じりの話をした。

初めは情けなくてこらしめようとしながらも、よっぽどでなければあんな話をするだろうかと思い胸が痛かった。

社会全般の構造的な問題とは違い囲碁界の需要は相変わらずで、パイが大きかったとすればはるかにより良かっただろう。 しかし碁を打つ若年層がずっと流入しなかったし人気が落ちる状況で良くなることを期待するならばそれは偶然の幸運を望む気持ちだ。

90年代中盤囲碁TVができた。 この頃を境に紙から映像に市場が変わり始めて(棋戦を作るスポンサーの選好度もやはりそのように変わって)新聞棋戦が衰退し同時に伝統の棋戦が消えて世界大会、韓国囲碁リーグ、イベント棋戦の時代に転換されたことは時代の流れで仕方ないとしよう。

このような時、伝家の宝刀のように'執行部のせい'にして糾弾するのが普通なのだがそのように追い詰めると解決される流れがすでにない。

俗っぽい言葉で'ソルカマル(ぶっちゃけ、率直に包み隠さず話して)'変わった時代の急流に乗ったが誰がボートを運転したところで無難に避けることができるだろうか。 
 
その上に命綱が切れても残った棋戦がまだ延命して、政府予算までも以前には想像もできなかった金額を勝ち取って幼稚園囲碁教育事業など社会全般にわたって囲碁インフラを作ることができるようになったことは(この点、遠く見通して囲碁の毛細血管を発育するという点で真の幸運だ)率直に各界で無視することはできない囲碁界市場の背景と影響力が作用したのが事実だ。

女流リーグをスタートさせて、広報効果に対する期待を離れてシニアリーグを単独後援して韓国囲碁リーグとともに女流-シニアに至るまで性別、年齢帯を等しく合わせる'リーグ本格時代'を作ったことは他の見方をすれば急変する時代潮流に合わせてどうにか主導してみようとする必死のあがきだ。

ところが出場舞台が急激に減る若い棋士にとっては'相対的に'、女性とシニアだけの舞台は相対的な剥奪感を感じるほかはない。 これもあってあれもあればさぞや良いが、なのでさらに残念で悲しい。

舞台のない演劇俳優が立つ場所はどこなのか。 リング上に上がることができないボクサーにいつもサンドバッグだけ叩いていなさいとするだろうか。

プロ棋士にとって対局は存在理由だ。 プロの対局数が100局を越えたことがわずかこの前だった。 今は上位20%内に聞いても1年に50局を打ち難い。 下位70%は20局も打てない。 

女流リーグ、シニアリーグ、数多くのイベント棋戦を通じてトップ圏から遠ざかった国家代表チーム監督ユ・チャンヒョク9段も対局賞金5000万ウォンは受けることもできることになり、還暦を遥かに越えたソ・ポンス9段も勝負師として今一度火をつけている。

思い出がマーケティングすると皮肉るけれども反応は悪くない。 女流棋士も賞金1億ウォンを越えて“いっそプロじゃなくて放送キャスターをする方がはるかに良い”という話も倒れた。 以前に比べれば全体的にまんべんなく配慮しているという評価を受けるに値する。 これまで疎外されたこれらには“そうだ、今や囲碁界も正常化している!”と感じるかも知れない。 

皆難しいとして、女流棋士育成もしなければならなくて、思い出のスターを見たいファンも癒やさなければならないので仕方ないとしよう。

だが、入段を通じて夢を育ててみようとする幼い未来の卵にはとても苛酷な時期になった。 囲碁をあきらめてレッスンプロになるにはあまりにも早くて、それでも夢を追って収入がゼロの生活を10年以上持ちこたえるには本人も家族も難しい。

もちろんトーナメント棋士として活躍するほどの器にならないこともあるが最初から熱心にしてみる土壌自体をなくすならば誰がイ・セドル、パク・ジョンファンを眺めてプロの夢を育てるだろうか。 

今後また再び時代が変わって入段者数が大幅拡大して人員がより一層多くなれば入段の目標が大会成績ではなくレッスンのための資格証取得に置く時代に変わるかも知れない。

でなければすでにそうなっているのだが私たちはそれをできないと感じているのかもしれない。 そうだといっても二十才もならない後輩に碁を打つことができる機会を作ること、これに先輩たちは重い責任を感じなければならない。 

ある20代始めの後輩と交わした挨拶がこうだった。

最近はどのように過ごすの? 
 
-失業者です。 

 

2016年8月12日満40才になった。 だが悲しい。 
モク・ジンソクは自費で後輩に大会を作ったが私は何をしたか。 申し訳ないだけだ。 

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▲次第に個別棋戦が痕跡をなくしてリーグ大会に代替される時代で最上位ランカー数十人だけ名刺を差し出すことができる韓国囲碁リーグ一つだけでは将来飛竜を夢見る潜竜がうねるにはその場は'あまりにも遠いあなた'である。 これらが花びら舞う舞台をどうして踏みたくないだろうか。
 
原文記事:CYBERORO