CYBERORO
'人間AlphaGo'パク・ジョンファン、再び応氏杯決勝進出
準決勝でイ・セドル制圧、決勝相手は中国棋士タン・ウェイシン
 
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 ▲パク・ジョンファンは準決勝最終局でイ・セドルを相手に黒3点勝ちをおさめた。


'AlphaGo'以前'囲碁マシーン'と呼ばれたパク・ジョンファンがいた。 

過去'AlphaGo大戦'以後イ・セドルが覚醒したのは確実だ。 以前よりさらに緩やかになった動きで急所をなめ尽くして機会がくれば強烈な攻撃で相手の首をかみちぎる能力はさらに進化した姿だ。 

ところがイ・セドル-AlphaGo大戦を見て最も大きい悟りを得た人はパク・ジョンファンと見える。 何かうまくできなかった相手であったイ・セドルに勝っていくAlphaGoを見て、'あの程度なら私もすることができる。'という自信ができたのだろうか? 

6月14日中国武漢万達瑞華ホテルで開かれた第8回応氏杯世界囲碁選手権準決勝三番勝負最終局でパク・ジョンファン9段が黒3点勝ちをおさめて2-1でイ・セドル9段を破った。

パク・ジョンファンは、7期大会に続き二回目の応氏杯決勝進出だ。 決勝相手タン・ウェイシン9段は93年生まれ同年齢だ。 タン・ウェイシンは準決勝3局でス・ウェ9段に黒中押し勝ちをおさめて2-1で決勝に上がった。 

決勝に上がったタン・ウェイシンはパク・ジョンファンが相手という話を聞いて"言うまでもない最強の棋士だ。 最近パク・ジョンファンの囲碁を見れば以前の短所を全て補完した感じだ。 今はどんな隙間も探すことが難しい。 今回の決勝は正直勝つ自信がない。 ただし最善を尽くして準備して勉強する。 過去2014年三星火災杯準決勝でパク・ジョンファンとの対決は結果的に2-1で勝ったが、内容だけ見れば全て完敗であった。 その時は私がよく打ったことではなくパク・ジョンファンが自ら崩れた。 "と話した。 

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▲イ・セドル-パク・ジョンファン三番勝負最終局の数えの場面。 応氏杯は填満法と呼ばれる独特のルールを使う。

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▲パク・ジョンファンの相手は93年生まれ同年齢タン・ウェイシンだ。 ス・ウェを2-1で破った。


最近パク・ジョンファンの動きを見れば本来の実力が全て本来の位置に無事に装着されて有機的に機能する感じだ。 これまで積もった内面が今、本格的に発揮されている。 'イ・セドルが挑発してくる時を待って読みで勝負を出す。'が準決勝1局でパク・ジョンファンが捜し出した'イ・セドル打破法'だった。 

 

互いに手を引くことはできない内面対決になって'どちらがさらに正確に読んだのか?'の勝負ではパク・ジョンファンも自信があると見たのだ。 白番必勝の流れだった準決勝三番勝負。 3局でパク・ジョンファンは黒を握っても完ぺきな自身の流れでイ・セドルを破った。



このような勝負が再びあるだろうか? 実力と気勢面で最も頂点に上がっているイ・セドルとパク・ジョンファンのぴりっとした出会いだった。 今回のパク・ジョンファン-イ・セドルの三番勝負は結果を別にして囲碁ファンたちの脳裏に深く残る名勝負でありパク・ジョンファン最高の名局だった。

もし応氏杯でタン・ウェイシンを破ってパク・ジョンファンが世界頂上にそびえ立つならばおそらく決勝戦より今回の準決勝3局が重ね重ね広く知られる内容になるだろう。 

第8回応氏杯決勝五番勝負1局と2局は今年8月10日、12日引き続き開かれて3局から最終局までは10月22日と24日、26日に開く予定だ。

1~2局の対局場所はまだ未定で、3~5局は中国上海で行われる予定だ。決勝で対決するパク・ジョンファンとタン・ウェイシンは今まで相手戦績では3勝3敗で同率だ。 


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●パク・ジョンファン○イ・セドル午前対局進行は91手(参照図黒1)までであった。 

パク・ジョンファンが打った午前最後の手は黒1の'アキ三角'だった。 下手ならば最も避けなければならない形がアキ三角だが、上手になるほどアキ三角をよく打たなければならない。 アキ三角だけでなく形と枠組みを全て超越した読みの深淵で果てしなく自身を磨き上げたパク・ジョンファンだ。 
 
以後に白は下辺黒石攻撃が仕方ない狙いであったのだがパク・ジョンファンは黒5で軽くからだを捻って連結してしまう。 ご飯を食べる時や移動する時も死活本を離さず磨きあげた精妙な読みが一世一代の勝負、最も重要な勝負所で光を放った。 

囲碁TVでキム・ソンリョン9段は"運が良いのではない。 パク・ジョンファンが下辺黒石に対する生死は全て読んだのでどのようにしてもイ・セドルには対策がなかった。"と話した。

黒7を見るとすぐにサイバーオロ解説者チェ・チョルハン9段は"そのような手までできますか。 イ・セドル9段が絶望的です。"と叫んだ。


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▲黒1で若干隙間を与えるとイ・セドルは正確に中央側の弱点を割り込んできた。 ところがパク・ジョンファンは再び心をリセットして冷静に黒7で白三子(△表示)を制圧した。 


キム・ソンリョンは"この手(黒7)はAlphaGoでなければ打つことはできない手だ。 正確に計算を終えて勝ったということを確信してこそ打つことができる手、人間の心理とは反対の冷静な守りだった。"と評した。 

有利な側でこのようにしては追撃する側では力が抜けるほかはない。 地では10目以上の差であり、逆転の糸口をなくして白がとうてい勝つことはできない局面になった。 

後半もフクラミや一間で着手してぴったり自身が勝つだけ後退した。 相手の息がぐっと詰まるほど味が悪いところをなくして確実な勝利の道に進んだ。


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▲不利なイ・セドルは最強に耐えていって最後まで逆転を狙った。 白1のヨセも非常に堅い。 白1が打たれた時パク・ジョンファンの最後の長考が出てきた。 そして黒14まで最もすっきりした方法で整理して囲碁を終えた。

若干退いたが、黒14でポン抜きをしてはこれ以上盤上で変化の余地がない。 以後は時間に追われた二人の対局者の手は盤上を埋めるのに忙しく、結果はコミを差し引いて黒3点勝ち(韓国ルールで3.5目勝ち)だった。

 
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▲応氏杯準決勝三番勝負を終えたイ・セドル9段は6月26日から28日まで中国天津で開かれる‘2016夏季ダボスフォーラム(The summer Davos Forum)’に参加する。  


 

‘第4次産業革命と派生効果’を主題で女は今回のダボスフォーラムには、3月人工知能囲碁プログラムであるAlphaGoと正面対決を広げたイ・セドル9段を招待して‘人工知能の発展’を主題として意見を聞く席を用意する。イ・セドル9段は初日開かれる‘人間vs機械:AlphaGoの意義(Human vs Machine The Significance of AlphaGo)’と‘イ・セドル9段との対話(A Conversation with Lee Sedol、Grand Master in the Strategy Game of Go)’に参加してAlphaGoとの対局経験談、戦略ゲームとして囲碁の意義などに対して発表すると発表された。

‘ダボスフォーラム’は著名な企業家・政治家・経済学者・メディア人などが世界経済に対して討論するために入る世界経済フォーラム(WEF・World Economy Forum)という国際民間会議だ。 毎年スイスのリゾートダボスで開かれて‘ダボスフォーラム’と呼ばれる。



4年ごとに一回ずつ開かれて‘囲碁オリンピック’と呼ばれる応氏杯で韓国はチョ・フンヒョンが9段が初代チャンピオンに上がり、ソ・ポンス9段(2回)、ユ・チャンヒョク9段(3回)、イ・チャンホ9段(4回)、チェ・チョルハン9段(6回)が一回ずつ優勝して合計5回優勝で大会最多優勝国の記録を保有中だ。 反面中国は常昊9段(5回)とパン・ティンウィ9段(7回)が二度優勝した。 

88年創設された応氏杯は大会創始者である故応昌期先生が考案した応氏ルールを使う。 ‘填満法’とも呼ばれる応氏ルールは地ではなく点で勝負をつけてコミは8点(7目半)だ。 応氏杯の優勝賞金は単一大会では最高金額である40万ドル(韓貨約4億 6000万ウォン)、準優勝賞金は10万ドルだ。

応氏杯準決勝三番勝負対局結果

1局パク・ジョンファン186手白中押し勝ち
2局イ・セドル164手白中押し勝ち
3局パク・ジョンファン285手黒3点勝ち

1局タン・ウェイシン169数黒中押し勝ち
2局ス・ウェ325手黒3点勝ち
3局タン・ウェイシン157手黒中押し勝ち

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▲ス・ウェとタン・ウェイシンの最終局ではタン・ウェイシンがス・ウェに黒中押し勝ちした。

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▲対局中に飲むお茶を準備するイ・セドル。

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▲パク・ジョンファンは3局では黒を持ってAlphaGo布石を広げた。

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▲午後対局場面。 すでに形勢は黒側に傾いた。

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▲応氏杯最終局検討室。 今回の準決勝は中国武漢で開かれた。

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▲応氏杯決勝に上がる韓国代表は再びパク・ジョンファンだ。

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▲パク・ジョンファンが再び決勝に上がった。 意気込んでまた意気込んだ応氏杯優勝カップが目の前に見える。

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▲準決勝三番勝負でス・ウェを2-1で破ったタン・ウェイシン。 、2013年は三星火災杯決勝でイ・セドルを2-0ではね除けて優勝したことがある。

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▲パク・ジョンファンとイ・セドルの復碁場面

[写真協力|中国Sina囲碁]
原文記事:CYBERORO 

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