サイバーオロ

行こう応氏杯! 優勝カップ持ちに

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 ▲20日開かれる1回戦は第6回応氏杯優勝者チェ・チョルハン9段が解説する。


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[キム・グラの舌戦説戦-第28回] 
'盤上のグラ'キム・ソンリョン9段.強大な口が立つことを自慢して得たニックネームだが派手なアドリブでも、取るに足らない雑談でも付け加える水準ではない。ステレオタイプの解説とは距離が遠い、率直溌剌直線的な語法でファンたちを楽しませる。毎週サイバーオロが蓆を敷く。週間観戦評'キム・グラの舌戦説戦'. 

今年応氏杯の頂上に立つ新しい囲碁皇帝は誰だろうか? イ・セドル9段は未踏の棋戦である応氏杯を通じて自身の囲碁人生に画竜点睛を付けたい。 前期準優勝者パク・ジョンファン9段も4年の間歯ぎしりして応氏杯を待った。 今回だけは絶対に逃したくない優勝カップだ。

応氏杯は4年ごとに開かれるだけに時期を逃してはいけない面がある。 こういう話をすればちょっと生半可だろうがイ・セドル、パク・ヨンフン、ウォン・ソンジンには優勝を眺めることができる最後の機会ではないかと思う。

もちろん今後も参加できるだろうが次には満37才、35才という年齢に15~20年違いが生じる後輩らを相手にしなければならないから体力的に難しい。 したがってこれらは今回が最後のチャンスという覚悟で臨むようだ。 特にイ・セドル9段は唯一世界メジャー大会優勝をしていない応氏杯に名前を上げようとする。 経験だけは当代最高と十分に期待して見る事ができる。 

応氏杯はチョ・フンヒョン9段を'囲碁皇帝'として作った大会だ。 また、ソ・ポンス9段を辺境の二人者として一躍世界的な棋士にそびえ立たせた。

その後ユ・チャンヒョク、イ・チャンホの手につながった応氏杯優勝カップは私たちの韓国棋士の全盛期を確認する玉璽とも同じだった。 イ・チャンホに詰まって第4回準優勝に終わった常昊はチェ・チョルハンを相手に第5回優勝カップを手に握ったし、常昊に敗れて物足りなさを受けたチェ・チョルハンは第6回イ・チャンホ9段を相手に勝利して応氏杯を手に握った。 第7回大会パン・ティンウィに敗れて準優勝したパク・ジョンファンは以前のパターンだけで見るならば優勝の可能性が大きい。 

待ちに待った第8回応氏杯が4月20日から始まる。 私たちは応氏杯を囲碁オリンピックと言う。 特に初めての大会が1988年ソウルオリンピックが開かれた時期と重なってそのような印象はさらに深い。 今回の第8回大会は以前と違った規則で進行される。 このコラムで変わったルールと共に観戦ポイントを探ってみる。

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▲韓国の歴代応氏杯優勝者。 チョ・フンヒョン、ソ・ポンス、ユ・チャンヒョク、イ・チャンホ、チェ・チョルハン9段。


◆変わったルールは何か

1.今年中に終わる

対外的に最も大きく変わった点は今年優勝者が決定されるということだ。 20日始まる本戦1回戦には中国10人、韓国6人、日本6人、台湾とアメリカ、ヨーロッパ代表各2人など合計28人がトーナメントを行って、勝者14人は前期大会優勝者(パン・ティンウィ)、準優勝者(パク・ジョンファン)と結集して22日本戦16強を行う。 
 
また、24日本戦8強戦を経て準決勝進出者を確定する。 準決勝は三番勝負で6月に開いて決勝五番勝負は8月(決勝1~2局)と10月(決勝3~5局)に開かれる。 以前応氏杯は決勝戦が年を越して行われて何年大会なのか表記しにくい場合が多かった。 その年始めた大会はその年終わるという原則を作ったという点で肯定的に評価される。 


2.制限時間変化 

選手たちに最も敏感な部分は制限時間の変化だ。 今回の大会は制限時間が3時間30分から3時間に減った。 また、応氏杯は他の大会とは違い秒読みがない。 これに代わるために時間を越えれば罰点制度があってそれさえも35分当り2目3回から20分当り2目2回に変わった。 これまで豊かな時間で最善の手を探したことは今は難しくなったのだ。 それなら実際に参加する選手たちはどんな感じを受けるだろうか。 今回の応氏杯出場選手のうちパク・ヨンフン9段とウォン・ソンジン9段二人に尋ねた。 質問はこうだ。 

1)制限時間3時間に罰点2目の地をあたえる制度は他のどんな制限時間と似た感じか?
2)制限時間変化に対応してどんな戦略を使わなければならないのか? 

ウォン・ソンジンは"三星火災杯の2時間に秒読み1分5回と似ている。 ただし秒読みに入って無条件で1分以内に打たなければならない事より2目を控除されても20分を使用できるので応氏杯の方がさらに余裕ある感じだ。

もちろん囲碁の流れにより違って微細な囲碁ならば罰点にあわないだろうが戦闘とか勝負をかけなければならない場面が続くならば罰点は無視して打つようだ。 こういう事を選択できるという点で応氏杯が気楽だ。 私ならば序盤は簡単に打って中盤に時間を多く使うようだ。 ただし微細な囲碁に行くならば終盤のために時間配分が必須だ。"と話した。 

パク・ヨンフンの話は違った。 "三星火災より応氏杯が時間に対する圧迫感がもっと大きい。 個人的にこのような方式をあまり経験しないので不慣れだ。 秒読みは時間が戻ってくるが応氏杯は罰点を受けるのでその圧迫感は途方もないようだ。

あえて比較するとすれば1時間45分に1分秒読み程度の囲碁だと考える。 時間をたくさんかけて打つという感じがない。 序盤はちょっとはやく打たなければならない。 中盤に考えをたくさんすれば結局後半に形勢判断と色々な時間の圧迫ができる。 結局は囲碁内容に合うように時刻表をよく組むしかない。"という。

 

3)応氏杯はどんなスタイルが有利なのか再び尋ねた。 

パク・ヨンフンの話をもっと聞いてみよう。 "攻撃的碁を打つ選手たちが有利なようだ。 どうしても中盤に血がはねる戦闘囲碁になれば時間を越えて罰点何点を受けるのは意味がない。 時間的な余裕が重要な計算囲碁に比べて攻撃的指向の囲碁が現在の応氏杯ルールと相性がよく合うと言おうか? 私のように微細な囲碁に導くスタイルは罰点がとても負担だ。"と話す。 

また、秒読みがない囲碁では当然時間延長策のような意味のない先手交換が消える。 終盤のスピーディーな進行は観戦者の立場では苦しさが減る。 反対に秒読みで時間を稼ぐ事がなじむプロの場合、3時間が流れた定刻に刃物のように2目が飛んで行くのが何か不慣れな感じであろう。 



◆夢の棋戦応氏杯、初めて出場するカン・ドンユンとナ・ヒョン 

イ・セドル、パク・ジョンファン、コ・ジェなどが目につく優勝候補だが、前期大会ですい星のように登場して優勝まで占めたパン・ティンウィのようにダークホースが夢をかなえる可能性もある。 結婚を控えたウォン・ソンジン、最近回復傾向が明確なキム・ジソク、再び全盛期をむかえたようなパク・ヨンフン全てそれなりの挑戦の意味がある。 

特に初めて出場するカン・ドンユンとナ・ヒョンに期待が大きい。 今回の大会にカン・ドンユンは国内選抜戦を通過して本戦チケットを得て、ナ・ヒョンは国家代表チーム成績で得たシードで出場する。

カン・ドンユンは世界大会(LG杯)優勝をしながら自信が充満する。 キム・ジソクと共に極度の乱戦を楽しむスタイルなど応氏杯ルールが有利な側面がある。 反面ナ・ヒョンはパク・ヨンフンと同じように計算を基に組んでいく囲碁だ。 これをどのように克服するかがカギと見える。 

この文を書いている間にサイバーオロ記者から電話を受けた。 20日開かれる1回戦をチェ・チョルハン(第6回応氏杯優勝者) 9段が解説するというニュースと共にカン・ドンユンとナ・ヒョンに簡単な臨戦所感を聞いたとして私に教えてくれた。

カン・ドンユンは"以前に応氏杯出場する機会が何度もあったが全て逃して残念だった。 いよいよ夢の棋戦である応氏杯に行くことができてとてもうれしい。 成績は8強にだけ上がっても満足だ。"として目標を精一杯低くした。

ナ・ヒョンは"最近勉強を熱心にしている。 国家代表チーム成績でシードを受けたが他の選手たちよりランキングはたくさん落ちる。 しかし成績で証明する。 今回上海で開かれる1回戦から8強まで全て勝ってみせる。"と話したという。 

今回の応氏杯にはパク・ジョンファンからウォン・ソンジンまで韓国ランキング1位から6位が全て出るのだがナ・ヒョンだけランキング17位でかなり差が生じる。 だが、韓国出場者中最も年齢が若い選手なので驚くべき成績を見せて反転魅力を誇ることもできる。 

応氏杯1回戦が開かれる4月20日は妙に日本では井山裕太9段が立ち向かう十段戦決勝4局を行う日だ。 相手はタイトル保有者伊田篤史8段だ。 現在井山裕太が2:1でリードしていて、もし井山裕太が勝利するならば日本最初の7大棋戦席巻であり全冠王の名前もつく。

これを見る日本ファンたちの心は複雑で息苦しい。 国内大会(?) だからエース二人が最も象徴性が大きい国際大会から抜けた日本棋院の行政に大きな不満を表示している。 いくら国内で良い成績を出しても国際棋戦で無気力ならば囲碁ファンたちは寛大に見てくれない。 このような点で韓国囲碁ファンたちも同じだ。 今はそのような時代だ。

韓国選手団は4月18日共に中国、上海に出発する。 パク・ジョンファン、イ・セドル、パク・ヨンフン、キム・ジソク、カン・ドンユン、ウォン・ソンジン、ナ・ヒョン。 韓国七人の戦士ら全てよくするだろうと信じる。 熱心に応援しよう^^。

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▲前期応氏杯はすい星のように登場した幼い少年パン・ティンウィにイ・セドル(16強)とパク・ジョンファン(決勝五番勝負)が皆敗れた。 今年はどんなドラマが繰り広げられるだろうか?


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▲前期大会で準優勝トロフィーを持ってパン・ティンウィの背景(?)になったパク・ジョンファン。 4年ぶりに再び訪ねてきた機会を逃すことにはできない。
原文記事:サイバーオロ 

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第8回応氏杯韓国・中国代表メモ

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韓国代表(7名)
前期準優勝シード:朴廷桓
ランキングシード:李世石、朴永訓
国家代表シード:金志錫、羅玄
選抜戦:姜東潤、元晟溱


中国代表(11名)
前期優勝シード:范廷鈺
ランキングシード:柯潔、時越、陳耀燁、古力、連笑、邱峻、唐韋星、柁嘉熹、黄雲嵩
選抜戦:羋昱廷


日本代表(6名)
羽根直樹、山下敬吾、張栩、結城聡、蘇耀国、河野臨


台湾代表(2名)
王元均、林立祥


ヨーロッパ代表(2名)
樊麾、マテウス・スールマ


アメリカ代表(2名)
エリック・ルイ、アンディ・リウ


予選には韓国6人、中国10人、日本6人、台湾2人、アメリカ2人、ヨーロッパ2人の合計28人が出場して半分の14人が本戦16強に合流。(范廷鈺と朴廷桓は前期優勝、準優勝シードで本戦に直行)

<日程>

・4月18日~25日:開幕式、予選戦、16強戦、8強戦
・6月8日~15日:準決勝三番勝負
・8月8日~13日:決勝1~2局
・10月21日~27日:決勝3~5局、授賞式
 

<歴代記録>

回   開催時期   優勝   比分   準優勝   四強

1  1988年—1989年  曹薰鉉  3-2  聶衛平   林海峰 藤澤秀行   
2  1992年—1993年  徐奉洙  3-2  大竹英雄  芮乃偉  趙治勲   
3  1996年         劉昌赫  3-1  依田紀基  林海峰  趙治勲   
4  2000年—2001年  李昌鎬  3-1  常昊    俞斌   王銘琬   
5  2004年—2005年  常昊   3-1   崔哲瀚   彭荃   宋泰坤   
6  2008年—2009年  崔哲瀚  3-1  李昌鎬   劉星   李世石   
7  2012年—2013年  范廷鈺  3-1  朴廷恒   李昌鎬  謝赫

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