'パク・ジョンファン時代'を待って

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 ▲パク・ジョンファン9段がランキング1位に上がって27ヶ月が過ぎた。 ところが韓国囲碁を代表する顔はまだイ・セドル9段だ。


2016年度新年早々からイ・セドルだけ単独で忙しい。 イ・セドルは1月に中国ランキング1位コ・ジェと'世紀の対決'を広げて、2月は東洋三国の第一人者(中国棋院選定)どうし対決する'賀歳杯'に招待を受けた。 近づく3月には国家対抗戦である農心辛ラーメン杯に韓国代表チーム最後の走者として出る。 

ここ数年間中国はス・ウェ、パン・ティンウィ、ミ・ウィティン、ジョウ・ルイヤン、タン・ウェイシン、トゥ・ジャシなど'90後世代'が率先して一名ずつ世界大会で優勝した。 韓国囲碁はあたかもモグラ叩きをするように毎年新しく飛び出してくる大陸の新星を破って中国囲碁ときわどい均衡を維持する事に忙しかった。

昨年からは状況が若干変わった。 春秋戦国のようだった中国囲碁界ではコ・ジェが覇権を捉えて天下一統に向かった本格的な進軍を始めた。 去る夢百合杯決勝五番勝負を控えて、イ・セドルを正照準したコ・ジェの挑発はこれをよく象徴する。 

また、グーグル(Google)が作った人工知能プログラム(AlphaGo)もイ・セドルに挑戦状を投げた。 これからはグーグルだけでなくフェイスブック、マイクロソフトなど世界最高の企業らが作り出す人工知能が囲碁征服に向かって競争する展望だ。 これらが挑戦する主人公はずっとイ・セドルであろうか? 

賀歳杯と農心辛ラーメン杯ではコ・ジェが待っていて、グーグル神(?)の挑戦もたやすいことではない。 もちろん当分は特有の無茶苦茶な怪力を発揮すると信じるが、イ・セドルも以前のような'銑鉄石'ではない。 最近世界大会決勝で準優勝だけ3度(春欄杯、三星火災杯、夢百合杯。 早碁とイベント大会は除外)続いたのもその兆候だ。 30代を越えて体力的な限界がすでに優勝と準優勝の差を作っている。 

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▲去る2015年中国コ・ジェ9段は百霊杯、三星火災杯、夢百合杯を席巻して世界大会3冠王に上がった。 昨年開かれた世界大会結果を調べれば韓国で開催する二大棋戦(三星火災杯、LG杯)は韓国棋士と中国棋士が一つずつ優勝を分け合ったが、中国で作った世界大会(春欄杯、百霊杯、夢百合杯)優勝カップは全て中国棋士の手に入った。 2016年開かれる激戦場で韓国はコ・ジェに代表される中国勢にをどのようにはね除けようか? 今年は特に囲碁オリンピックと呼ばれる応昌期杯も開かれる年だ。 応昌期杯優勝カップは再び韓国に戻るだろうか? でなければ2連続中国が持っていくだろうか?

 

これからはどうだろうか? 幸い私たちには'切り札'パク・ジョンファンがいる。 イ・セドルが持ちこたえる間、最小限イ・ドンフンとシン・ジンソがもっと大きくなる時まで韓国囲碁の真の柱になる棋士だ。

すでに実力も年齢も絶頂期に上がっている。 しかしパク・ジョンファンが真に第一人者系譜を引継ぐ棋士として新たに出て、一歩進んで世界最高の棋士と認められるためには越えなければならない問題がいくつかある。

まず世界大会優勝カップがさらに必要だ。パク・ジョンファンは第24回富士通杯(2011年、vsチュ・ジュン1-0)、第19回LG杯世界棋王戦(2015年、vsキム・ジソク2-1)まで二回優勝したが、最近2年の間世界ランキング1位を守った彼の名声に比べる成績ではない。

世界大会本戦8強、4強までは無難に行くが、主に中国棋士に詰まって途中で座り込む場合が多くてファンたちに'国内用'という批判まで聞く。 国内大会の圧倒的な勝率を世界大会でも見せなければならない。 

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▲ 3年前7回応氏杯決勝で中国棋士パン・ティンウィに敗れて深刻な痛みを体験したパク・ジョンファン。 現在この世の誰よりも応氏杯優勝に対する熱望が大きいだろう。 応氏杯は前期大会準優勝者が次の大会に優勝することも二回(常昊、チェ・チョルハン)もあったので今年はパク・ジョンファンに期待しても良くないだろうか?

 

すぐに目の前に見える問題はコ・ジェとイ・セドルだ。 現在の韓国と中国でランキング1位に上がっているパク・ジョンファンとコ・ジェの対決は韓国囲碁界と中国囲碁界全体を代弁する勝負となる。

コ・ジェは97年生まれ、パク・ジョンファンより四才も幼い。 今対等な勝負を行っても歳月が過ぎればコ・ジェの若さに押される可能性が高い。 コ・ジェがもっと大きくなる前にパク・ジョンファンが何かを見せなければならない理由の中の一つだ。 また、ランキングではすでに27ヶ月先んじているが、会えば唯一敗れるイ・セドルに対する解決法も探さなければならない。 

 

読みの神、Godジョンファン

93年生まれパク・ジョンファンは2006年5月13才で入段した。 入段前後からすでに囲碁界ブルーチップと認められたパク・ジョンファンは入段5年目である2010年から成績が急激に上昇(2010年1月ランキング8位だったが、その年12月は2位まで上がった。)以後国内大会国手、天元、十段、韓国物価情報杯、GSカルテックス杯、マキシムコーヒー杯、KBS囲碁王など多数の大会で渉猟し始めた。 パク・ジョンファンは昨年賞金収入だけで8億ウォンを超え、2015囲碁大賞を受けて勝率賞、最多勝賞、連勝賞3冠王まで上がった。 

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▲パク・ジョンファンは2012年以後年末授賞式で最多勝賞と勝率賞を4年連続で受賞(連勝賞は2011年、2012年、2014年、2015年受賞)した。 韓国ランキングは2013年7月から1位に上がって2016年2月基準として27ヶ月連続1位を記録した韓国囲碁の代表選手だ。 2015囲碁大賞授賞式で大賞を受けたパク・ジョンファンは"韓国ランキング1位ならば世界大会もたくさん優勝しなければならないのだがちょっと反省しなければならないようだ。 熱心にする。"と受賞所感をいった。



世界大会で成績不振はパク・ジョンファンの最も大きい悩み事だ。 世界大会本戦でパク・ジョンファンの前を遮った相手はチェン・ヤオイェ、タン・ウェイシン、ス・ウェ、ジョウ・ルイヤン、レン・シャオ、ミ・ウィティン、パン・ティンウィ、コ・ジェなど同じ年頃の中国棋士だ。

ソ・ポンス9段は"皆実力が似ているという話だ。 パク・ジョンファンぐらい器用な棋士が中国に多いという証拠ではないだろうか?"と話した。 本当にパク・ジョンファンの実力が足りないのか?

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▲ 2015国手山脈杯。 韓中最強者が三人ずつチームを級んだ団体対抗戦だ。


パク・ジョンファンと中国ランキング10位圏棋士と競った記録を再び調べよう。パク・ジョンファンが韓国ランキング1位に上がった2013年7月以後対局基準として相手戦績を調査するとパク・ジョンファンはコ・ジェと1勝3敗、ス・ウェと4勝4敗、ジョウ・ルイヤンと6勝1敗、チェン・ヤオイェに8勝5敗、レン・シャオと1勝0敗、古力と1勝2敗、ミ・ウィティンに2勝0敗、タン・ウェイシンと3勝3敗を記録した。

パク・ジョンファンがコ・ジェと古力には戦績が若干悪いが、大部分は優勢だったりきっ抗する。 この記録でおもしろいのはパク・ジョンファンが中国棋士を相手におさめた勝点には'団体戦'の甲級リーグで勝数がたくさん反映されたという点だ。

パク・ジョンファンは以前から団体戦で唯一勝率が良かった。 2010年は広州アジア試合大会で金メダルをさらう事に大きい功績を立てて、毎年韓国囲碁リーグと中国甲級リーグで主将で大活躍した。 昨年度甲級リーグ杭州チームと韓国囲碁リーグTブロードチーム主将に走って二チームを全て優勝に導いた。 特に甲級リーグでは中国の最強者誰もパク・ジョンファンの相手にならなかった。 

パク・ジョンファンが個人戦よりチームに所属して対局すれば成績が良い理由は責任感が大きくなったからだろうか、でなければ負担感を減らしたからなのかは分からない。 確実なことは世界大会本戦舞台で中国棋士に負ける理由が決して実力が弱かったり中国棋士に対するトラウマがあるのではないとの点だ。 

国家代表チーム モク・ジンソク コーチは"パク・ジョンファンは短所がない囲碁だ。 まんべんなく強いという点は中国の超一流棋士も似ているが、パク・ジョンファンを越える棋士を探すことは難しい。 また、韓国と中国をあわせて最も熱心に勉強する棋士だ。"と評す。 

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●パン・ティンウィ○パク・ジョンファン2015国手山脈杯韓中対抗戦3R(2015.08.10-キム・ソンリョンの'月刊一手'から抜粋)

パク・ジョンファンが右下隅で一手ずつ進めるたびに。 囲碁TV生中継解説者は"そのような手がありますか?"を連発した。 参照図右下の進行には深い狙いが隠れていた。 キム・ソンリョン9段は"手が出る前まで一連の流れがあたかも単純なヨセ手順のように進行されるという点に妙味がある。 じわじわ進行される手順にみな役割があった。 囲碁界に久しく残る歴代級妙手であった。"と評価した。 

 

参照図白1と黒2の交換は一見緩く見える。 パク・ジョンファンの囲碁はひょっとして若干うすくなる時はあっても地によく押されはしない。 不利な形勢でもひとまず地の均衡は合わせて勝負をかけるスタイルだ。 ところがこの時点に実利損害を甘受して黒大石をそのまま見過ごす事がちょっと変に見えた。

黒大石は攻撃してくる反対側の石(左下隅または、右下隅黒)と連結すれば容易に生きる。 白3もあたかも一般的なヨセと見える。 黒4と交換があってももしもの場合、黒大石が移るには障害がない。 白5に疑いなしにパン・ティンウィが黒6で切った時いよいよ白7の爆弾がさく烈する。 その前にパク・ジョンファンの工作が巧妙ですでに時は遅し。 

この模様で黒がハネればコウに行くこともできるのだが中央黒大石を攻略するコウ材が無尽蔵だ。 白11で付けることが妙手順のハイライトであった。 中で白が生きる手をなくそうと黒が突き抜ければ(白13) 白は1線(黒16)へ渡って、黒は再び白15に降りなければならない。 このような形では百A、黒B、白C、黒D、白Eに進行されても右下隅と黒大石が繋がらない。 

やむを得ずパン・ティンウィは参照図黒12でハネて、以後は必然の手順で黒陣営だった隅で白がぴったり二目を空けて生きてしまった。 右下隅黒は地だけえぐられたのでなく自身の生死を再び世話しなければならない境遇になった。 キム・ソンリョンは"一連の作戦と心理戦があきれる。 囲碁の高級技術をすべて見せた。"と絶賛した。
 



また、今までインターネット世界まで行き来して積んだ局数もものすごい。 現在のパク・ジョンファンが見られなかった序盤形態は殆どないと見ても過言ではない。 

 

弱点は実力でなく心

2016年1月21日、去る43期名人戦決勝4局に時間を戻して見よう。 決勝五番勝負でパク・ジョンファンはイ・セドルに先に2敗にあったが、2週後開かれた決勝3局から雰囲気が全く違った。 これまでにパク・ジョンファンはKBS囲碁王戦決勝でイ・セドルを2-1で勝って優勝を占めた。

引き続き開かれた国手戦挑戦碁では挑戦者チョ・ハンスンを3-0で制圧してタイトル防衛に成功した。名人戦も3局で完勝をおさめて、4局も中盤までは優勢だった。このまま勝って5局まで行けばパク・ジョンファンの逆転優勝の可能性が大きかった。 

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▲イ・セドルと繰り広げた名人戦決勝五番勝負。 3局で流れをパク・ジョンファン側に戻したが、4局で疑問手が出てきて逆転負けした。 優勝は再びイ・セドル9段が占めており、'名人'はまだパク・ジョンファンが持つことが出来ないタイトルとして残った。

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▲ [実戦進行] ●イ・セドル○パク・ジョンファン第43期名人戦決勝4局(2016.01.21) 

白1にイ・セドルはやむを得ず黒2でハネた。 この時だけでもイ・セドルは椅子の背もたれに横たわって後頭部に手をあてて勝負をほとんどあきらめる表情を見せた。 しかしイ・セドルは白5を見ると再び目を輝かせて、白9が置かれるとすぐに姿勢を直して座って盤上にぴたっと近寄って再び考え始めた。 局後復碁中にパク・ジョンファンは"黒10、12で白要石二子が捕えられるのをうっかりした。"と話した。

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▲ [参照図]イ・セドルは白Aでなく参照図のように白2ででなければならないと話した。 このように簡単に中央を整理しても白勝ちがほとんど確実な局面だった。 白Aのやり過ぎた手を作ったパク・ジョンファンの心理は何だったのだろうか?


パク・ジョンファン脚本の逆転ドラマは一瞬のミスで水の泡になった。 実戦進行で白9でハネた手は理解することができないやり過ぎた手であった。



名人戦優勝を逃した翌日電話インタビューでパク・ジョンファンは"読みに誤りがあった。"と話した。 理解することができなかった。 読みの神と呼ばれる'無欠点囲碁'パク・ジョンファンにエラーだなんて?

勝ったと考えた時点に起きる'興奮'、または、はやく終わらせるという'焦り'、正面勝負して腕力で終えるという'欲'のようなものがパク・ジョンファンのような上手にあると想像することは難しい。 果たして何がパク・ジョンファンを揺さぶったのだろうか? このような質問にパク・ジョンファンはどんなものかは話してはないが、"心理的に揺れた。"と話した。 

どんな理由にしても重要な勝負で心理的な動揺があって、読みに悪い影響を及ぼしたということは憂慮することだ。 韓国国家代表チーム チェ・ミョンフン コーチは"パク・ジョンファンがイ・セドルを相手にする時は本人が克服しなければならないという焦燥感が囲碁内容にあらわれる。 また、世界大会も本戦8強以上行けば自身が韓国囲碁の責任を負わなければならないというプレッシャーを感じるようだ。 パク・ジョンファンの最も大きい長所は安定感なのだがこのような負担感が実力の安定性を害する時がある。"と診断した。

また、チェ・ミョンフンは"パク・ジョンファンは読みに長所がある囲碁だ。 ところが囲碁の流れを先に自分側に引き込む勝負感覚が惜しい時がある。 簡単に勝つには自身の長所を最大限発揮する空間で戦って妥協しなければならない。 このような部分は以前チョ・フンヒョン9段が特に強かった。 スタイルは違うが、イ・チャンホ9段も同じだった。 パク・ジョンファンがイ・セドルと打つと序盤から乱打戦に行くのだがこれはイ・セドルにとても有り難いことだ。"と話した。 

実力を越えて揺れない不動心、心の平正を磨きあげるのは勝負師の最も重要な特性だ。 決勝だけ上がれば優勝に対する安堵感を与えた全盛期のイ・チャンホとイ・セドルのようにパク・ジョンファンも彼だけのカリスマを作らなければならない。

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●パク・ジョンファン○コ・ジェ第2回金竜城杯3R(2015.12.18)

韓国ランキング1位パク・ジョンファンと中国ランキング1位コ・ジェの最も最近の対局だ。 パク・ジョンファンが序盤から狂いが生じた。 左上隅黒1から白18まで進行は白が良い結果(国家代表チームの分析結果)だ。

この対局は序盤先取点を渡したのが最後まで困難に陥った。 白20~26までコ・ジェの素敵な削減。 以後黒はこの白を圧迫して攻勢を取ったが、白が尻尾をそっと離してあちこちで実利を取りまとめるとすぐに黒は不甲斐なく崩れてしまった。 

パク・ジョンファンは2013年甲級リーグでコ・ジェと初めて対局して勝利したが、2014年百霊杯準決勝1、2局と2015年末開かれた金竜城杯3ラウンドで敗れて相手戦績で1勝3敗で滞る。 相手戦績の劣勢より内容で力なく負けた対局が大部分なので問題だ。 

国家代表チーム チェ・ミョンフン コーチは"特に最上級棋士の対決で序盤はとても重要だ。 チョ・フンヒョン9段、イ・チャンホ9段は全盛期の時序盤はほとんど分かるところ、確実な道でだけ行った。 パク・ジョンファンも重要な勝負では自分のスタイルでもう少し安定感あるように打っていくことが必要だ。"と評した。

ソ・ポンス9段も"勝つ時もあって、負ける時もある。 しかし囲碁は少しの間道を間違えればめちゃめちゃになることだ。 変化をむやみに作ってはいけない。"と一喝する。 布石で一つの枠組みにしばられないで、自由自在に打つのは良い。 もちろんパク・ジョンファンがよく勝つが、もうさらに'安定感'コースで行くのが必要な時だ。

 

解答は盤上の外にある

2016年は世界囲碁界の地図を予測する難しい年だ。 パク・ジョンファンが韓国囲碁の確固たる柱として立つことができなければややもすると韓国囲碁の命運が違うようになることもある。

また、パク・ジョンファンが世界囲碁を主導するきらびやかな期間があってこそイ・ドンフン、シン・ジンソ等も育つ余裕ができる。 世界囲碁覇権の象徴性がある応氏杯、まだ韓国棋士の優勝がない百霊杯と夢百合杯などに最初の旗を立てることも韓国ランキング1位に上がっているパク・ジョンファンの課題の中の一つだ。 

パク・ジョンファンが行かなければならない道に対する助言を求めるとすぐにソ・ポンスは"今と同じ実力平準化時代にわずかの差で先んじるには結局体力と集中力をさらに育てなければならない。"と話す。

国家代表チーム コーチ チェ・ミョンフンは"現在は碁盤の前で座っている時間を少し減らす事がかえって良いこともある。 もちろんこれはすでに勉強が十分になっているパク・ジョンファンに限定された話だ。 パク・ジョンファンは幼いころから前だけ見て休む暇もなく駆け付けた。 もう自身の位置と人生を振り返ってみて、思索を通じて勝負の遠い道を行くための心を育てなければならない時だ。 個人的には登山を薦める。 思索の時間を持って同時に体力まで育てることができる。"と助言した。 

囲碁技術的な面ではパク・ジョンファンが頂点に上がっているのだが先輩棋士の大部分は"パク・ジョンファンの囲碁と勝負が一次元を越える方法は碁盤の外にある。"と話す。 具体的な解決法は自らも悩んで努力するだろうが、必要ならば囲碁だけでなく他の系統の勝負世界の大家らと虚心坦壊に話してみるのも一つの方法だ。

まだ確固たる第一人者として位置することができていないが、必ず'パク・ジョンファン時代'はくる。

だが、彼の全盛期は囲碁のアイデンティティを新しく悩まなければならない時代になるだろう。 深い読み、精密な計算、安全第一の盤面運営などは機械もまた、長所とするところだ。 人間はコンピュータが追いつくことはできない洞察力と直観で勝負しなければならない。

勝負パターンと概念まで新しく創造しなければならないかも知れない。 人間が少なくとも10年ほどずっと人工知能を勝ち抜くならば本当に世界的な囲碁ブームが起きることもある。 その主人公がパク・ジョンファンになるように願う。

2016年から新しく'パク・ジョンファン時代'が開かれたら良いだろう。 まず第8回応昌期杯優勝者がパク・ジョンファンだったらと思う。 今年から中国のコ・ジェを確かに破って自他共認'天下無敵'になるように願う。 また、未来にはイ・セドルに続き人工知能が目標にする世界トップのプロ棋士がパク・ジョンファンだったらと思う。 何より囲碁の深さだけ魅力と品格があふれる人間として記憶される事を祈る。 

今後パク・ジョンファンはどんな囲碁を見せようか?最後に22年前藤沢秀行9段が当時19才青年イ・チャンホに送った手紙内容の一部を紹介して文を終える。 

"イ・チャンホには解かなければならない課題があるようだ。今のとおりならば何というか、'感情のない囲碁'と言いたい。心を動かす感動が少ない。ではそういう感動をあたえる囲碁はどのようにすれば打つことができるようになるのか? 

これは難しい境地のことだが囲碁が勉強だけではなく、人間そのものを高める勉強が土台を成し遂げてこそ可能だと考える。人間を次元高く引き上げることができるならばいくらでも強くなることができる。それは絶えず切磋琢磨で可能なことだ。"-藤沢秀行 

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▲プロ棋士がコンピュータと競争しなければならない時代、囲碁は社会的にどのように位置づけようか? 将来囲碁界を導いて行くパク・ジョンファンが解かなければならない宿題だ。
 
原文記事:'パク・ジョンファン時代'を待って 



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