大陸の「石仏」范廷鈺 
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サイバーオロ特集-‘中国新鋭強者5人’に対する棋風探求順序は次のとおり。 

- 2013年LG杯優勝(vsウォン・ソンジン2:0) 
-ペテイル算定世界ランキング1位(2014年1月現在)

- 2013年三星火災杯優勝(vsイ・セドル2:0)
-ペテイル算定世界ランキング10位 

- 2014.1月現在の中国ランキング10位
-ペテイル算定世界ランキング12位

4編.パンティンウィ9段(96年生まれ) 
- 2013応氏杯優勝(vsパク・ジョンファン3:1)
-ペテイル算定世界ランキング15位

5編.ミウィティン9段(96年生まれ) 
- 2013年梦百合杯優勝(vs古力3:1)
-ペテイル算定世界ランキング6位



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▲ 2011年15才のパンティンウィはそうそうたる中国の先輩棋士をはね除けて第2回中国知力運動会で優勝してびっくりさせた。

(1)胸にかかった金メダルに手には賞牌と花を握って立っている。15才少年范廷鈺は授賞台の前で喜ぶことも笑うこともなかった。黙黙と授賞台に上がってきた。




1996年出生であるパンティンウィは一種の‘エオルン’(大人のような子供)だ。 すでに中国囲碁界に広く知られた事実だ。 年齢は幼いが4才の時から習ってきた囲碁と、数年間の勝負が鍛練になったことなのか顔に喜びと悲しみの表現をしないことが習慣になった。 言葉を慎む。 良し悪しに関係なくする言葉は全3~5節を越えない。


2011年11月16日サイバーオロに上がった‘第2回中国知力(頭脳)運動会’報道記事だ。 この大会で当時15才であるパンティンウィはシェホ、フヤオウィ、ワンシー、リージョ、スウェなどそうそうたる棋士の中で全勝で決勝に上がってフヤオウィと金メダルを争った。 わずかな差で負けたフヤオウィは髪の毛を握りしめて頭をぐるぐると振って惜しんだがパンティンウィの顔には勝利の快感が全く見られない。 ただ碁石を素直に片づけて静かに席をはずすだけ、だと伝えた。



(2) ‘淡々とした恐怖パンティンウィ!’ ‘石英囲碁!’
2013年3月、第7回応氏杯決勝を見守った国内記者たちが選んだヘッドラインだ。中国メディアは早目にパンティンウィに少年石仏という別称を付けた。‘石仏’ならば‘石仏イ・チャンホ’の専売商標のようなものだ。筆者が見守ったパンティンウィはイ・チャンホ9段よりきびしいポーカーフェースであった。 対局前でも後でも全然表情がない。 ターミネーターが思い浮かんだ。 

人間ならば、いくら冷たい勝負師としても顔に勝負の内容が少しはあらわれることがある。 局後復碁の時も違うところがない。 対局場ではそのようなことが出来るといっても優勝した後のインタビューですら全く同じならば? 訓練の結果なのか持って生まれた性格かわからないけれどこの‘無表情’はどんな一流棋士に会ってもいつも同じ冷静さを維持できるようにする原動力であるようだ。 
 

パク・ジョンファン9段を3-1で折って応氏杯を占めた時中国のウィ・ピン監督は“パンティンウィが他の90後世代とはどのような点が違うと見るのか?”という質問にこのように答えた。
 
"印象的なのが彼の性格の部分でしょう。 彼は確かに違います。 すべてのことに対して物静かだが囲碁にだけ情熱があふれ出ます。 こうしたのはシェホやチウジュンと似ています。 私の考えでは90後世代棋士がパンティンウィの'没入'方式を見習わなければなければならないと考えます。"

パンティンウィはまた“私の棋風は私の性格と同じだ。 皆‘安定’型という。”と話したことがある。 


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范廷鈺9段

1996年8月6日上海出生
4才に囲碁を習い始め
2007年ニェウェイピン道場で1年間修行
2008年入段

2011年
11.12中国知力運動会囲碁男子個人金メダル

2012年
03.03第4回BCカード杯32強進出
05.03第19期建設交通杯中国新人王戦優勝(2-0,vsファンウィンソン)
10.09 2012三星火災杯本戦8強進出
11.19棋王争覇準優勝(vsポンリヤオ)

2013年 
03.06第7回応氏杯優勝(vsパク・ジョンファン3-1勝) 

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▲ 2013年3月6日第7回応氏杯決勝5回戦最終局(決勝4局)の終局の瞬間. 何の表情もないパンティンウィの姿と衝撃を受けたようなパク・ジョンファン(右側)の姿が2013年一年の中国と韓国囲碁の明暗を克明に見せるようだ。





企画特集-中国‘90後’代表棋士5人棋風探求(4) 
大陸の‘石仏’パンティンウィ


いよいよ96年生まれを紹介する番だ。 近ごろ世界大会を一つずつ占めている中国の新鋭強者は90年以後出生者だと一束で‘90後世代’と呼ぶが厳密に問い詰めれば‘90後’と‘95後’で分別することができる。

スウェ、ジョオルイヤン、トゥォジャシ、チャンウェイジェが91年生まれでタンウェイシン、タンシャオが93年生まれでこれらは‘90後’を代表する棋士だ。
 
‘95後’の代表走者ではすでに世界大会を優勝した96年生まれパンティンウィ、ミウィティンを筆頭に97年生まれであるコジェ、98年生まれヤンディンシン、シェオルハオなどが後に従っている。

雨後の筍のように育っている新鋭が多いので実はある程度正体が明らかになった‘90後’よりは‘95後’世代の少年棋士がさらに恐怖の対象だ。 すぐにこのグループの先発隊であるパンティンウィに引き続きミウィティンの囲碁を眺望する予定だ。 


パンティンウィは第7回応氏杯優勝者だ。 彼は2012年5月強力な優勝候補であったイ・セドル9段を16強戦で折って世界の耳目を集中させた。 これに先立ちBCカード杯、百霊杯、招商地産杯、LG杯などの世界大会で強者を横たえて目を引いたりしたが当時実質的世界1位のイ・セドル9段にまで勝つとは思わなかった。

当時ナヒョン3段はミウィティン、ヤンディンシンなどで代表される中国の95後世代のうちでパンティンウィが最も強力だと評価したことがある。 ナヒョンはパンティンウィより一つ年上の韓国の‘95後’で今後これらと最前線で戦わなければならない同じ年頃だ。


パンティンウィは予告された有望株であった。 2010年14才の年齢で史上最年少新人王に上がって3連覇した。 どこの国でも新人王戦はトップへ行く登竜門大会だ。 常昊、フヤオウィ、古力、コンジェ、ジョオルイヤンなどが皆新人王戦優勝者だ。 ところが3年連続優勝した棋士はなかった。 初めての新人王3連覇(第17期~第19期)新記録をたてた新鋭がパンティンウィだ. 

2010年中国甲級リーグで12勝5敗の成績で新鋭棋士の中で最高の成績をおさめたし翌年には主将戦にも出場してチームに決定的な勝利をたくさん抱かせて‘非売品’というニックネームを得ることもした。他のチームに絶対売ることはできない少年というものだ。 

おもしろいのはパンティンウィの世代、同じ年頃には似合わない8対2分け(七三分け)ヘアースタイルと特異な歩き方で中国棋士は彼を'社長'と呼ぶということだ。 

以前両班外股を歩いた青年イ・チャンホが自ずと思い浮かぶ大きな点だ。 性格もまたあるのかないのかおとなしくて静かだ。 中国は集団(共同)研究が日常化されているがパンティンウィは特異にも一人で勉強するスタイルという。

ウィピン中国国家代表総監督は"北京にいる時パンティンウィに特訓を用意するか尋ねると大丈夫だといった。 そして古力などの棋士で研究チームを設けるか尋ねたところやはり大丈夫だとし一人で準備をするといった。 このような点で私がパンティンウィが(応氏杯決勝でパク・ジョンファンに)勝つだろうと期待した。"と話したことがある。 


パンティンウィの棋風を一言で要約すれば‘厚い実利型’ということができる。 ここに逆襲能力を装着した棋士なのでさらに強力で、さらに恐ろしい。

ユ・チャンヒョク9段はパンティンウィの囲碁に対して"安定した方向で行けば後半が強く恐ろしくて、乱戦に誘導しても読みが強いのでややもすると逆襲される。 本当に相手にするのが難しい棋風だ。 以前のイ・チャンホがそうだった。"と話した。 最も正確な診断だと考える。 

冷静で、厚くて、読みに強い。 そしてさらにもう一つ、パンティンウィだけの勝負呼吸がある。

韓国で似た棋士を探そうとするならナヒョン3段を挙げたい。 ナヒョンは冷静で、厚みを基に置いていくスタイルだ。 また、韓国で指折り数えるほどヨセが優れた棋士だ。

性格や棋風、さらに行動までイ・チャンホ9段を思い出させる棋士がパンティンウィだ. イ・チャンホと棋風が似ているという評価に対してどう思うかとの質問にパンティンウィはこのように応酬した。 “イ・チャンホは私が勉強する目標だ。” 
それと共に“忍耐心が強いこと”を自身の長所としてあげた。 


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1.厚みを追求するパンティンウィ

パンティンウィの囲碁を見るならば序盤進行で厚みに対する独特の感覚を駆使する場面に会うことになる。 厚みに対する感覚がその他の棋士を見てもちょっと違う。 
 
全般的に囲碁が厚くて,このおかげでうすくて追われる姿は探してみるのが難しい。 厚い姿は全盛期のイ・チャンホ9段と似ていた。 ところが少し違った部分がある。イ・チャンホ9段に比べてパンティンウィは力で勝負を見ようとするという点が少し違う。

パンティンウィ9段は腕力もまた、超一流級だ。 似たスタイルだとしたナヒョンとイ・チャンホ9段は同じ場合は厚く置きながら後半(ヨセ勝負)を準備するのにパンティンウィは力で勝負を見ようという点で差異点がある。  

 
2.逆襲、読みのパンティンウィ

パンティンウィ9段は厚みにもう一つさらに強力な武器を装着している。それは読みを土台にした強力な逆襲だ。 これは彼の勝負呼吸とも関連があるように見えるが予想できない場面での急襲は相手に強力な衝撃を与えることができる。
 

2012年シンガポールでパク・ジョンファン9段と広げた応氏杯決勝1,2局を見守った囲碁記者は“パンティンウィの囲碁は石英のように丈夫だった。 動きには一寸の隙を探すことができなかったし、適切なタイミングで急所へ向かう妙手は鳥肌が立つほどであった。”と書いた。



3.パンティンウィの弱点

筆者にはこのパンティンウィ9段の囲碁で特別な弱点が見えない。 堅実さを備えていて難しい場面で読みを基に戦いを挑んでくるだけでなく、中国棋士大部分がそうであるようにヨセまで強い。

ただし応氏杯優勝以後最近のパンティンウィの成績を見れば意外に敗戦を見ることができるし、とても極微な半目を争う局面で時々失敗が出てくる時があり、過度に冷静で序盤に全体的な大勢で押される対局があった。とはいえ全体的に見ると特にこれといった弱点が見えない棋士だ。


韓国棋士の中でパンティンウィにとても強い容貌を見せている棋士がチェ・チョルハン9段だ。 今まで6勝1敗を記録しているが、以前にチェ・チョルハン9段はパンティンウィ対処法に対して"中後半失敗がない棋士なので序盤で先んじなければならない。"という見解を明らかにしたことがある。

参考で下に昨年3月韓中団体戦である3回招商地産杯でチェ・チョルハン9段とパンティンウィ9段が行った囲碁をリンクした。


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▲今年2月に発行した中国の囲碁雑誌[囲棋天地] 3~4月号は昨年世界大会を優勝した6人を'新六超'という題名で一冊を全部特集記事で整えた。 写真はパンティンウィ、タンウェイシン、スウェ.




4.盤上の哲学者、パンティンウィ

パンティンウィ9段は応氏杯優勝後それに匹敵するほどの成績を見せられずにいる。 ただパンティンウィだけでなく昨年世界チャンピオンに上がった90後世代の棋士がみなそうだ。

このような指摘に対して中国囲碁国家代表チーム ファスェミン コーチは昨年招商地産杯の時"中国90後世代棋士は今'安定'が必要だ。 例をあげようとするならスウェ、パンティンウィのように世界大会優勝した棋士が優勝後度々敗北したりする。 こういうものは全部普通の事だ。”としてあたかも成長痛を眺める両親のような気持ちで余裕があるように評した。
 

しかし筆者がパンティンウィの今後の潜在力にさらに注目する理由は別にある。 それは囲碁的なものより囲碁に対する彼の理由の深さに注目するためだ。

下記の名士が残した格言のような話はパンティンウィが2012年当時世界最年少年齢で世界大会決勝進出を確定した後、中国の囲碁雑誌[囲棋天地]による特別対談から抜粋したのだ。 誰がこのような話をした人が10代のプロ棋士と考えることができるだろうか。 (翻訳は、中国囲碁に対する内容が充実している情報を紹介しているサイバーオロ会員、‘真水麺’のブログ。) 

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-私たちの世代が囲碁の熟練度では相対的に高いが、囲碁内の含蓄に対する深みのある理解は、事実囲碁以外の知識と経験の後押しが必要だ。

-読みは一切の根本だ。 ある分野でも読みがその基礎だ...これは非実在的な感じまで含む。 事実感覚もまた、読みを根源としながら、読みが一定水準に到達した後に生じる思惟習慣の感覚だ。

-私が話す創造は、いくつかの新手新型を置いて出すのではない。 私は深みある創造、観念上の創造を希望する。 

-勝負を経験できなかったり、勝負を重視しないならば、‘道’を理解することはできない。

-あなたは現在の棋士のレベルが高いと言うが、ただ現在の棋士が以前の棋士より強いという事はいえない。 例えば現在の大学生および大学院生の知識がニュートンより先んじることはあるだろうが、彼らがニュートンより上回ると誰が話せるだろうか?

-どんな所に置いても人々の魂を揺さぶることができる、人々を感動させる碁を打つことができるならば、本当にすばらしいだろう。 三星杯でルォシホが置いたような名局は遭うことであって求めるのではない(可遇不可求). 事実、勝利に達する最も近い道をひたすら揺れることなく歩いていくならば、そのような囲碁が恐らく名局であろう。
※棋譜解説等省略している部分があります。
原文はこちら。→大陸の「石仏」范廷鈺 


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